あしびきの唄

さくらだでんぷん

物語あらすじ 登場人物紹介

◇舞台


そこは山々に囲まれた寂れた寒村である。

人里離れたその村は他から隔離されているともいえ交流はないに等しい。

それだけをきけばなんの面白みもない村のように思えるが…。

この村を特に印象づけるものが村の中央に水を溜めた大きな湖である。

湖は朝と夕には日を受け水面を朱に染める。

長い事この村を映してきたその湖には主が住むと恐れられてきた。

主を怒らせてはならない、その逆鱗に触れると恐ろしい惨劇が村に降りかかると唄われてきた。

そしてその言い伝えを代々守り続けてきた大部家一族が村を支配している。

主の怒りを防ぐには生け贄として若い生娘を捧げなければならない。



◇あらすじ


物語は暁がびしょ濡れで倒れていたところから始まる。

ゆとりが温泉宿へと連れてきて介抱。

万里も加わりからかい笑いあう。

ここまではいつも通りの日常。

しかし違和感がぬぐえず、徐々におかしくなっていく。

いつまでも帰ってこない男たち。

降り続ける雨。晴れない霧。

湖の対岸に臨む大部家の屋敷では何が起こっているのか…。

皆薄々とは気づいていた。

昔からうたわれていたあしびきの唄の内容は本当の事ではないのだろうか。

そして真相が明かされる。



◇キャラクター紹介



本作の主人公。

元こけし職人の家の息子。

両親ともに他界しており、双子の姉である真紅と暮らしていた。

突然村人によって真紅は連れていかれ、今は一人真紅の帰りを待っている。

仏頂面で口が悪い。



真紅


暁の双子の姉。

暁と切り離され神社に隔離されている。

しかし悲観することもなく策を練り、その時が来るまでと機会を狙っている。

暁に対して肉親以上の愛情を向けている。



万里


自称、将来有望な温泉宿の跡取り息子。

適当を基本としているが、実のところは情が厚く面倒見がよい。

人懐っこい性格で誰とでもすぐ打ち解けられる。いじられ役。



ゆとり


万里とは少し年の離れた妹。温泉宿の看板娘。

幼い割にしっかりしており、温泉宿の仕事に熱心。

暁に対して淡い恋心を抱いている。



八王子


暁の父の代わりに村に住み始めたこけし職人。

村人達に与えられるこけしを作っている。

村から離れたところに住み屋敷に篭もり、こけしを作り続ける日々を送っている。

いつも仮面を着けているため表情が分からない。



真霧


村長の孫娘。神社の巫女。

巫女としての役目を託されているため、幼少の頃から親しい友人がいなかった。

宮入した真紅と親しくなり、真紅のことを親友と思いとても慕っている。

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