学園の女王様的な人が俺を惚れさせようとしてくる

@nuru

第1話うちの学校には女王様がいるらしいです


俺の名前は【神崎(かんざき)とおる】だ。


俺は今年の4月にこの【峯藤学園】に入学した。

特徴を言えば、偏差値70ぐらいの私立高校で、昔のことではあるが元女子高であったため、全体数の女子の割合が7割以上とかなり高い割合を保有していた。


まぁ、女子の多い高校ということもあり、学校を全体的にみると女子が男子よりも権力の高いイメージがある。

しかも、この学園には女王様と呼ばれる人物がいた。まぁ関わることは無いだろうし詳細は省かせていただく。


「おっす!とおる!今日も元気そうだな!」


「よお。今日もお前は暑苦しいな。」


現在は6月の半ばあたりである。気温も上がり周りはみな夏服を着用していた。


そしてここは1年A組。男子は2割、女子は8割も占めている。

そしてこいつは【普稀(ふまれ)なつよし】。高校に入ってできた友達だ。

暑苦しい奴ではあるが悪い奴ではない。しかも短髪のイケメンで、そこそこ筋肉質な体つきから女子にモテている。確か彼女もいるはず。


対する俺は、成績は良いが、顔は平凡、運動能力も平凡。いわゆる普遍的な男子生徒である。なつよしはそんなことないと言っているが信用できない。他のやつにも言われたことがあるがおれはそうは思わない。

長所は、料理上手で家事ができ、テストでいつも一桁で、まぁそんなぐらいか。

短所は、この卑屈な性格かな。あと女性に対して苦手意識があるためいつも距離を置くようにしていることも入るだろうか。

料理上手なのは、昔から両親が多忙で、今年の春から一人暮らしを始めたことも相まっていると思う。

短所については、いつか話そうと思う。


まぁ端的にいえば、こいつはモテるイケメンで俺は平凡男子。そんな立ち位置だ。


「なぁ、今日通学路で女王様を見かけたんだけどよぉ、めっちゃ人に囲まれててすごかったぞ。」


「あぁ、その女王様?ってのすごいらしいな。」


「すげぇなんてもんじゃねぇだろ。あれはまさしく人を従えてるってかんじだな。流石としか言いようがない。」


「へー。」


「へーって、彼女がいる俺ならともかく、女王様に対して興味を抱かないのは学校中探してもおまえくらいだろうな。」


「だって殿上人みたいな人なんだろそいつ。平凡な俺じゃまず関わることはねぇだろ。」


「かはは、相変わらず卑屈なやつだな!」


声を上げて下品に笑っているが、事実であろうに。

彼女はまさにこの学校で一番有名な人だ。平凡な俺が近づこうものなら消し炭にされてもおかしくない。1学年上なのも相まってかかわることはまずないだろう。


そう思っていた時期が僕にもありました。



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