第6話
うっかり大切な本をテーブルの上に置いたまま、
その彼女は驚きのあまり、椅子まで倒した。あまりにも
ひっくり返った椅子はそのまま、彼女は手招きをした。首を傾げながら覗き込んだ彼女も、同じように驚き、ぽかんと
こんな身近に居たとは。
仕事は出来るけれど大人しく、自分から輪に入ってくることはあまりない。周りと常に一線を引き、付き合いもあまり良くない。しかしその印象は悪いものではなく、
突っ込んでほしくなさそうな雰囲気を
「古い友人なの」
「でもね、最近は会ってないんだ。本が出るといつも送ってくれるの」
照れくさそうにはにかんだのを機に、ふたりは一番知りたい
「で、彼氏ってこと?」
仲良く声を
苦笑いの意味は色々考えられるけれど、自分たちの予想が外れるとも思えない。
そして
「彼氏とか、そういうのじゃないよ。でも大切な人、とっても」
幸せそうに微笑んだその顔は、今まで同僚たちに見せたことのないような、
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