キャッシュレスにモヤモヤ。
昔から親に「借金だけはするな」と繰り返し繰り返し言われてきた。親から教わった教訓と言えば「借金するな」と「愛想よくしろ」と「折り畳み傘は定期的に天日干ししろ」という三つぐらいだ。それぐらい何回も言われてきた。
しかし、私はいますぐクレジットカードが作りたい。
言っておくが、別に限度額いっぱいまで買い物をしまくって、カード破産したいわけではない。必要に迫られているから、カードを作りたいのだ。
なぜ必要か?
コンサートのチケットを買うのに必要なのだ。
世は空前のキャッシュレス時代。ネットショッピングとか、なんとかペイとかいうサービスが乱立しまくって、まだ19の若造から見ても、今の経済事情はなんだかわかんない状態になっている。意味わかんねーもん。バーコードで会計って何?
そしてとうとう、コンサートのチケット販売でも、「支払いはクレジットカードのみ受け付けます」なんていう宣言までされてしまう始末。一次二次までなら現金でも可能なんだが、三次受付以降などは、チケット代の即納性を重視しているのか、無慈悲にクレジット斬りされてしまう。
そんなに現金主義が嫌か!
データ上で金銭をすぐやりとりしないと駄目か!?
そこ行くと、今までのアーティストなどは安心できた。Mr.Childrenとかスピッツは、ファンクラブ料金がコンビニとかで支払える。現金支払いが効くのだ。しかも年会費制だから一回支払えば一年は何もしないでいい。鼻くそほじってても、ファンクラブ会員として幅を利かせることができる。
ああ、なんて良心的なアーティストだろうか。さすがはキャッシュレスに慣れていないアダルトなファンが多いだけあってそんな配慮をしているのだろう。私はこの二つのファンクラブに絶大な信頼を置いていた。
ところが、ここに超新星が現れた。
Official髭男dismだ。
いま若い男女を中心に絶大な人気を誇る四人組バンド。私は最近彼らにすっかり魅了されている。いつになく私はハマっていた。Mr.Childrenに出会ったとき以来にハマっている。
そこで、例によって、彼らを応援するためにファンクラブに入ろうと思った。さくさく検索し、あっという間に会員登録用のサイトに着いた。
支払い方法を見た。
「クレジットカード」か「携帯電話まとめて支払い」の二択だった。
会費の欄を見た。
月額制だった。毎月払わないといけない。
私は絶望した。絶望して、肩を落とした。
先に言っておくが、私はそんなに几帳面ではない。
後払いシステムで決済をしたら、支払い期限日の深夜ギリギリまでそのことを忘れてバイトをしていたぐらいである。夜11時過ぎに慌ててローソンに駆け込んで決済を済ませるぐらいには、面倒くさがりで忘れっぽい。
そんな私に毎月400円ぽっちをどうにかして払えと?
さすがは今どきのアーティスト。毎月定額で支払ってくれるファンを大切にするんだね。サブスクリプションやらなんやらで、毎月払えばいい思いができるサービスが多い令和時代。ファンクラブも月額制っすか。時代は変わりましたなぁ・・・。
泣いて、バンドルカードを作った。
(バンドルカードは、クレジットカードのシステムで、なおかつ自分でお金をチャージしないと使えない、特殊なプリペイド式カードです)
バンドルカードでも、難なく決済はできた。
ありがとうバンドルカード。無事に決済ができる。
ああ、神よ。私に安定した稼ぎと静かな創作環境とクレジットカード。この三つをどうか与えたまえ。私の願いはそれくらい。
・・・あ、もう一つ。
コンサートのチケットの倍率を下げてくださいな。
ーつづくー
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