Ⅶ 屋しきの中で 1つめの昼 昼ごはん
ミリモンとよーせーくんはホッとしゅんかんおなかがなった。なので、これから食堂に昼ご飯を食べに行くのだ。
ミリモンは、朝のワンナとか言う奴がいませんようにと願いつつ食堂へ向かった。
しかし、その願いは神様にはとどかなかった。
「あぁ、朝の……えっと、ミリモンちゃんじゃない!」
……会ってしまった。ミリモンは自分の運の無さをなげいた。
「あは、あはははは……」
ミリもンは作りわらいを作るとそのままそこから立ち去ろうとした。が――
「ねぇねぇ、私のおむかいのせきちょ~ど二つ空いてるわよぅ!」
ミリモンは、自分は神様に見すてられた上に悪魔にひろわれたんだなぁ、と思った。
こうして、ミリモンとよーせーくんはワンナのおむかいにすわった。
(……大体ぼくは、おしゃべりってもんがきらいなんだよー……)
しかし、何故だか、昼は意外と楽しかった。といっても、いっしょにぺちゃくちゃしゃべるわけではなく、聞いて、それをじっくりと考えて、返事をする、という感じだ。
色々な事をしゃべってる内に、いつのまにかお弁当の話になっていた。
「ミリちゃんは、お弁当好き~?」
「はい、大好きです!
特にピロが作ってくれたの。
後、ワンロが時々くれた木の実も最高だったなぁ……」
半分はひとりごとのように、ミリモンは答えた。
しかし、このことばは、これからのミリモンの未来に大きくえいきょうすることになる。
ワンナが、へぇというようなかおをして、でも全く別のことをミリモンにたずねた。
「あなたたち、ワンロの知り合い?」
ミリモンは思わずほっぺをつねってしまった。知ってるも何も、今、その人物をさがしてるんではないか。
「実は……」
ミリモンは山がふんかした時のことから今までのことを話した。泣きそうになってしまったが、よーせーくんがおわらいをしながら話してくれるので、平気だった。
「……なるほどねぇ……
あんたたちも、大変ねぇ。」
ワンナは話を聞きおわった後こう言った。
「ワンロなら、今、この屋しきの近くにいるの。少しだけ話したわ。かっこいい人……」
ミリモンは最後の「かっこいい人」が少し気になったが、今はそんなことを言っている時ではない。
ミリモンは言った。
「ねぇ、ワンロがいる場所につれてって!」
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