Ⅶ 屋しきの中で 1つめの昼 おしかけ①

「ふぅ~……何だったんだ、さっきのは」


 ミリモンはわけがわからないままマコにつれていかれた。

 しばらくマコはだまっていたが、ふいに言った。


「……あんたたち、命がおしくないの?」

「え、もちろん……おしいけど……」

「ならどうしてあんなことしたのさ。あたしがいない場所でうろちょろするなって言ったろ?」


 ミリモンはわけがわからなかった。しっかりしているとはいえまだまだ子ども。自分がやったことの大きさはわからないのだ。


「……ま、今にわかるよ」


 マコははぁとためいきをついて又歩き出した。


「ミリモン、どしたの?」

「ぼくにもよくわからない」

「なんかすごーくきれいな場所にいったよね」

「うんうん」

「どれすきたおんなのこがいた」

「うんうんうん」

「なんかおばさんがおこってた」

「うんうんうんうん!」


 そんな会話をしている内に、へやの近くに来た。マコは相変らず暗いかおのままだ。


「……ぜったい、大人しくしてろよな」


 それだけ言って、マコは立ち去った。



 なんでだろ、と思いつつもミリモンはドアをあけた。すると――

 だれかいる。確か――「レプカ」とかよばれてた女の子だ。

 レプカはいきなりさけんだ。


「あんたたちねっ! 私とお母様の未来、カプチーノ家の未来、めいよ、プライド、世けんのひょうばん、どうしてくれんのよっ!」

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