姫と王子の

この画商は、城専属の画商でした。

だから、あんなに高い値段で絵を買えたのです。

今日も、画商は城へ絵を売りに行きました。

今日は、小さい双子の王子様とお姫様もいるので、特別に色々な絵を集めてきたのです。

「これはこれは王様、お姫様、王子様、御機嫌麗しゅう御座います。」

「おう、待っておったぞ。さて、今日の絵はなんじゃ?」

「はい、こちらの136点で御座います。」

そう言って、画商は次々と絵を見せて行きました。

「ほう・・ふむ・・はぁ・・」

王様は、適当に見ていましたが、女の子から買った絵を見ると、急に目つきが変わりました。

「おお、これは・・・!」

画商は、ヤバい、やっぱりこんな雑な絵はヤバかったかな、と思い、小さくなりました。

「素晴らしい!自然の力が溢れて来るようだ。

画商、この絵の作者は?」

「すみません、存じ上げません・・」

「そうか・・なら、いいんだが、王子、姫、どうじゃ?」

「・・・ん?あー、その絵、きれいー!」

「なんかね、姫ね、まえいった山とか海とかおもいだした!」

「そうかそうか。」

王様はにっこり微笑むと、画商にも笑顔を向けて、言いました。

「この絵を買う。そして、姫と王子の部屋に飾ろうではないか。」

「有難う御座います。」

画商は、深くお辞儀をしました。

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