女は、強い。

 世界には、さまざまな女がいる。

 そして、どんな女も、けっきょくのところ強いのだ。


 そのことを、唯川ゆいかわけいのエッセイはいつも教えてくれます。



 私は唯川恵の書く小説やエッセイが大好きで――いや、大好きと言うとすこしだけ違和感があります、肌に馴染む、と言うべきでしょうか――よく読みます。それこそ、むさぼるように。

 こう言ってはなんですが、どのエッセイも似たようなことが書いてあります。まあ、出版されている本の種類が多いから、ネタがかぶってしまうのは当たり前かもしれませんが。

 でも。

 それなのに、次々と手を出してしまうのです。

 それはたぶん、いろいろな方法で励ましてほしいからでしょう。唯川恵のエッセイズ(造語)は、ネタは似ていても、やはり違うし、書きかたも微妙に違う。ときには叱咤してほしい、ときには優しくしてほしい、ときには淡々と励ましてほしい。そんな気持ちを、唯川恵のエッセイズは満たしてくれるのでしょう。

 唯川恵は、ひとりの夜の友人みたいなものなのです。


 最初に、書いたことですが。

 世界には、さまざまな女がいます。

 唯川恵のエッセイには、じつにいろいろな女が登場します。結婚した女、結婚しない女、夢を求める女、自立を求める女、男に振り回される女、男を育てる女……まだまだ、いっぱい。

 それらの女たちを見ていると、ああ、女って因果だなあ、だけれども、やっぱり素敵な生きものだなあ、と思うのです。

 女たちは、どんなかたちであれ立ち向かっています。決して、敗者に成り下がろうとはしません。そう、女は、強いのです。

 女は、強い。

 読めば、わかります。おそらく、かならず。



 今回私が紹介したのはこの『明日に一歩踏み出すために』ですが、唯川恵のエッセイは、どれから読んでも入りやすいと思います。とても読みやすい文体ですし。

 女であることに満足しているかた、女であることに不満なかた、また、女のほんとうのところを知りたい男性のかた、眠れない夜にでも、気軽な気持ちで読んでみてはいかがでしょうか。

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