安楽死監視人

若宮ナオ

安楽死監視人

安楽死制度の始まり

2050年1月1日政府により、"安楽死制度"の法案が可決された。


国民や政治家の間でも賛否両論だった。

しかし、不景気を抜け出せずにいる国に不安を感じ、若者の引きこもりや自殺が激増したことが決め手となった。

これからの貴重な労働力である若者が、このような状態ではまずい。

そう思って政府も様々な手を打ったが、全く改善されず数は増える一方だった。


そこで政府は立ち行かない国の財源を、安楽死制度で少しでも補填しようと考えたのだ。

引きこもりや自殺を止めれないなら、財源にしてしまおうという、あまりに非人道的な考えである。


ただ国が立ち行かない今の現状で、これ以上若者を無駄死にさせる訳にはいかなかった。


安楽死制度を簡単に説明する。


安楽死制度

・日本国籍をもつ18歳以上の全国民が、理由を問わず利用することができる。

・執行希望日時の24時間前までに、費用の100万円を支払い、申告を完了する必要がある。

・申告完了後はいかなる理由があっても取り消しは認められない

・申告完了後は執行まで自由が保証されるが、監視人により常に見張られる。

・執行後、臓器は全て国に提供される。


安楽死制度が始まり新しい仕事が生まれた。


申告者が執行までに、犯罪を犯す可能性があるため監視するお仕事。


"安楽死監視人"である。

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