第58話 明るい? 暗い?
「新・東京ディズニーシー・ステーション! キター!!!!!!!!!!!!」
望たちは、元気いっぱいに次の駅へやって来た。
「新・ダッフィー!!!!!!!!!!」
「落ち着け!? 早まるな!? 高校生の望たちのお小遣いじゃ、高級な新・東京ディズニーシーには入ることはできないんだ!」
「ショック! 子供のお小遣いで入れないなんて、夢の国じゃないわ。ガッカリ。」
JRSの目覚ましとホープも新・東京ディズニーランドの真実を知った。
「ようこそ! 新・東京ディズニーシー・ステーションへ!」
「よろしく! 駅娘!」
いつものように望たちは駅娘に出迎えられる。
「今日の駅クエストは、明るい話と暗い話、今時の人はどちらの話を好むか、ということです。」
「何も考えていない一般大衆は、まだまだ日本は性善説で良い明るい世界と思っています。しかし、一方で、親から虐待されたり、学校でいじめっ子は既に腐ってますし、いじめられっ子もいじめられて心を閉ざすでしょう。学生を終わって、社会人になる頃には、立場の弱い新入社員の女性に、偉そうにセクハラをするような先輩社員になっています。」
「これを解決するのが明るい話です。一般大衆は、そういった話を好みます。新・NHKの朝ドラが視聴率20%なのは、高齢者が未だに正義貫徹の物語を支持している証です。」
「逆に新・進撃の巨人のように、人間が巨人化した人間に食べられちゃう暗い話なのに、大ヒット。今時の日本人の若い人を中心に腐った心を持った一般人が増えていて、暗い話でもヒットする時代になってしまいました。」
「まさに、さまよえる舞浜人レベル1は、今時のスマホーばかりの現代人の人間の心を捨てたものが実態化したようなものですね。」
「これを解決するのが明るい話です。現実は不条理で、政治家や大人は、見て見ぬフリをして、現実生活で問題の解決はありません。」
「だから人々は架空の世界の物語に解決を求めるのです。若しくは圧倒的な破壊と殺戮を。」
「きれいなバラには棘がある。」
「そう、人間の心の答えは、新・東京ディズニーランドをにある。」
「新・東京ディズニーランドを運営している会社、なんかはどうでもいい。」
「答えは働いているアルバイトの人々の笑顔。前向きな心。来てくれた人に楽しんでもらおうという姿勢。」
「人は、笑顔になるために、元気になるために、笑うために、幸せになるために、新・東京ディズニーランドに行くのだから。」
人間は明るく生きたい。良い話にまとまった。
「さあ! 電車に乗ろう! 行くぞ! 次の駅!」
電車に乗ることは、冒険の始まりである。
望たちは、モノレールに乗って、次の駅を目指すのだった。
つづく。
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