第37話 腕に電気が走る
「いらっしゃいませ! 田原町駅へ!」
「よろしく! 駅娘!」
望たちは、東京メトロ銀座線の18番目の田原町駅に着いた。
「田原町駅のクエストは、さまよえる田原町人レベル300を倒すことです。」
「よし! 予定通りだ! いくぞ! 希!」
「おお!」
望たちは、さまよえる田原町人レベル300を狩りに行く。
「か、神だと!?」
LAWS国家試験の試験管たちは、LAWSのホストコンピューターの回答に驚く。
「なぜ今更、神が人間界に干渉するというのだ!?」
「そうだ! そうだ! 人間がAIに駆逐されていくのも止めなかった神が、なぜ今更、AIロボットに歯向かうというのだ!?」
LAWS国家試験の試験管たちには、神の心は理解できなかった。
「まあ、いい。この世の支配者は、我がAIコンピューターだ。神が騒いだところで、人間がいないのだから、どうにもなるまい。ワッハッハー!」
LAWS国家試験の試験管たちは、世界を支配したという傲慢さがあった。
「ギャアアアー!? う、腕が!?」
望は、さまよえる田原町人レベル300を倒した。しかし連戦の疲れから、腕を痛めてしまった。
「大丈夫!? 望!? あなたの腕!? 機械が見えるわよ!?」
「え?」
望は、自分の腕を覗き見る。生身の人間の肉ではなく、見えたのは機械だった。望の腕はロボットだったのだ。
「な、なんだ!? 腕に機械が埋め込まれている!?」
「こ、これはどういうこと!? 望!? あなた!? もしかして、ロボットなんじゃない!?」
「僕は、ロボット!? に、人間じゃない!? そ、そんな!? この体も!? この声も!? この心もロボットだというのか!?」
最悪の予想に、戸惑う望。
「望、あなた、ロボットだったのね!? これじゃあ、私たち結婚できないじゃない!? イヤーーーーーーー!」
自分の将来を悲観する希。
「安心しろ。おまえたちは二人ともロボットだ。」
その時、どこかからか声が聞こえる。
「誰だ!? 何者だ!?」
望たちは周囲を見渡すが誰もいない。
「私は、浅草の雷神だ。」
「雷神!?」
声の主は、雷の神だった。
「おまえたちの疑問に答えてやる。早く浅草の雷門まで来い。待っているぞ。」
言うだけ言って、雷神の声は聞こえなくなってしまった。
「さあ! 電車に乗ろう! 浅草駅へ行こう!」
望たちは、電車に乗って、雷神の待つ浅草駅へ向かうのであった。
LAWS国家試験2次が開始して、17時間。残り2時間。現在、22時。現在、18個目の田原町駅を突破。残り1駅であった。
つづく。
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