第36話 大逆転

「いらっしゃいませ! 稲荷町へ!」

「よろしく! 駅娘!」

 望たちは、17番目の駅、稲荷町にやって来た。

「残り4時間で、後3時間!? やったー! 遂に逆転したぞー! これでトイレに行けるぞー!」

 時間と駅の数が逆転した。

「ダメよ! 望! 油断しては! どこでプログラムが修正されるか分からないわ! さっさとゴールの浅草に行きましょう!」

「おお!」

 希は、知っている。自分の意志とは関係なく、既存の設定は他人に歪められてしまうと。雑魚のレベルが、急にレベルが上げられたことを経験している。

「駅娘! 稲荷町のクエストは何だ?」

「はい! さまよえる稲荷町人レベル250です。」

「よーし! 楽勝だー!」

 望たちは、さまよえる稲荷町人レベル250を狩りに行く。


「何かがシステムに干渉している!?」

 LAWS国家試験の試験管たち。

「いったい何が我がLAWSのホストコンピューターに接しているというのだ?」

「コンピューターでないのなら、魔法使い? それとも人間?」

「LAWSの科学力に、魔法がケンカを挑んでいるのか?」

「科学力の前に、人間が崇高する、お金は何の意味もない。だって、お金持の人間を見つけたら、AI搭載の無人ドローン・マシンガン装備型を向かわせれば、皆殺しにでき、奪ってしまえばいいのだから。」

「LAWSに歯向かう者の銀行口座は、全てハッキングできる。持ち主が気がついた頃には、銀行通帳の残高は、ゼロだ。」

「なら、いったい何者がLAWSの邪魔をしているというのだ? 教えてくれ! AIコンピューターよ!」

 試験管たちLAWS国家試験の試験管たちは、LAWSのホストコンピューターに尋ねる。

「LAWSのホストコンピューターにアクセスしている者は、神です。」

「神!?」

 AIコンピューターに挑んでいるのは、神であった。


「さまよえる稲荷町人! 突破!」

 望たちは、さまよえる稲荷町人レベル250を倒した。

「イタッー!?」

 望の腕に激痛が走る。

「大丈夫?」

「これくらい大丈夫だ。」

 心配そうな希。

「さあ! 電車に乗ろう! 次の駅へ行こう!」

 望たちは、電車に乗って次の駅へ向かう。

 LAWS国家試験2次が開始して、16時間。残り3時間。現在、21時。現在、17個目の稲荷町駅を突破。残り2駅であった。

 つづく。

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