魔王な教師と魔法少女

ごまみそ

ー魔王と出会った日

 魔力で満ちた世界『アステア』、それがこの世界の名称である。



魔法の力は人々に影響を与え生活を支えている。


 そんな魔法を正しく扱う術を学ぶ学園が世界の至る場所に存在するのは言うまでもないだろう。


 その世界の至る所に存在する学園の一つ名門『アートフォン学園』、数多く存在する学園の中でも最大級と言われている。


北大陸最大の魔法都市『グランセイル』に存在しており名門と呼ばれてはいるが、生徒は貴族ばかりという訳ではなく普通の一般市民も多々在籍している。


 多くの学生が登校していく中、一際人々の注目を浴びている二人組がいた。



 一人は身長163cm程でもっちりとした白い肌にスタイル抜群、ぱっちりとした赤い瞳に赤く染まる艶やかな長い髪をしている。



 彼女の名前はアリス=クレメンティス、今年アートフォン学園に入学してきた一年生である。


 もう一人は同じく身長164cm程の腰まで伸びた金髪をした女の子。


こちらの女の子も真っ白な肌にスタイル抜群、優しい黄色の瞳をアリスに向けている。



 彼女の名前はティア=テスタロッサ、彼女も今年アートフォン学園に入学してきた一年生である。 


アリスにティア、今年学園に入学してきた美少女として有名な二人組だった。


 アリスとティアの二人は周りの生徒達の視線に気付いていないらしく、仲良く話しをしながら学園に足を踏み入れた。


 

学園の巨大な門をくぐると、二人は話しを止めて足を揃えて敬礼すると緊張した顔で門の近くに立っている老人に挨拶する。


 

『おはようございます!グラン教官』


 

「うむ、アリスにティアおはよう」



 片目に巨大な切り傷が入った細身で白髪の老人。


どこぞの筋者としか見えない表情だけでなく、厳しさから生徒達から恐れられている。


 

彼の名前はグラン=ペイン。アートフォン学園の教官をしている。



 二人は挨拶を返してもらい歩いて行こうとすると、思い出した様にグランは二人の背中に声をかける。



「ああ、二人共……学園長が呼んでおるから授業前に行くように」



「学園長がですか?分かりました」



「はい、直ぐに向かいます」



 グランの言葉を聞いてアリスとティアは振り返ると頷いた。


「何の用かな?学園長」



「心当たりはないけど……とにかく行ってみよう」


 アリスが少し首を捻ると、それを見たティアは微笑むと学園長の元に向かって歩き出した。

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