飲み屋で語られる世間の真実?

T-たっくん

第1話 働き方改革

 今日も仕事終わりました。私はどこにでもいる量産型のサラリーマン。医者相手に営業をやっていると、商談以外にもいろいろ話題をもっていかないといけない。毎朝新聞を読み、朝のニュースを読んでいくが、なかなか盛り上がらない。やっぱり人と違った視点というのは大事だと感じる今日この頃。今日も、世間話をしたが、ニュースで知った内容をただただ伝えるだけ。自慢ではないが、人生のほとんどはつまらない日々。一日の終わりは、やっと飲める。そう思い帰路につく日々・・・

 今日もデジャブのように町を歩いていると、ふと小さな居酒屋が目に入った。

 いつもなら素通りするような地味な店だが。今日は何か引っかかるものが・・・

 居酒屋「とぅるー」。なんだこの店は。カウンターのみの小さな居酒屋。奥に常連と思われる、おっさんが3人とマスターが一人。いつもなら入らない、閉ざされた雰囲気のお店。芋水割りでと注文を付け座ると。会話が嫌でも聞こえてくる。どうやらテーマは「働き方改革は誰のため?」がテーマだ。そういや少し前に話題になって、聞いたことがある。残業で稼いでいた人たちは稼げなくなるので苦しいと。少し興味があったので聞き耳を立ててみた。どうやら量産型サラリーマンのおっさんの様だ。しかし、なかなか聞いたことのない話が・・・新聞やニュースでは聞いたことがない

働き方改革と年金問題はリンクしている?

働き方改革は日本をダメにする?

働き方改革の末路は日本消滅?

 どれもネガティブな話だが、少し興味があった。そもそも居酒屋のおっさんはいつもネガティブだ。いつもながらの光景なので、デジャヴ感もあったが、今日はなぜかニュースでは知れない真実が聞ける気がした。焼酎は3杯目に達したが、居酒屋のおっさんが感じている「真実」に関して少し興味がある。もう少し聞いてみたくなった。

 働き方改革と年金?おっさんAはこう主張している。働き方改革により残業が出来なくなった夫のいる世帯は必然的に共働きを選択することになる。パートだけでは足らず、収入が増える正社員を選択せざるを得ない。必然的に扶養から外れ、税金額が増える事になる。よって、残業で頑張って家庭を支えていた人たちの家庭から税金を多く取ることで、年金機構に入る額を増やすのが裏の目的であるとの事です。

 確かに、日本には扶養控除という制度がある。詳しくはここでは書かないが、年収130万付近に働き損になるゾーンが存在するのは薄っすら聞いたことがある。パートの皆様がここのラインを超えないように働いているのも現状だ。確かに税金を取る方からすれば、ここを超える人を増やせば税収は増えそうな気がする。

 年金の税源が無いと耳にする昨今、この真実は?

 働き方改革は日本をダメにする?おっさんBはこう主張している。働き方改革により、「若い頃はとにかく残業で稼ぐ」といった事が難しくなった。これは今までは言わば特別な何かを持っていない若者の救いであった。この何かを持っていない若者はこれから何かを持たなくては稼げなくなってしまう。しかし、量産型サラリーマンの私もそうだが若者の段階で何かを持っている人はそんなに居ない。体力はあるので、とにかく働いてその中で何かを見つけてきた若者はこの先何も見つけれなくなるか、見つけるまで時間がかかってしまう。何も見つけれない中堅が増え社会は成長しなくなる。今後、日本は成長しなくなり経済は下降していくことになり、欧州のように学生の間に勉強しないと社会で通用しない、生きにくい社会になっていく。ただでさえITが進み難しい社会になっていき、ついていくために努力しなければならない社会になっているのに、さらにそれを助長している。そして貧富の差が広がり不満がたまり、自己中心主義が広がり 自国中心主義により、おもてなしの日本は消えていくとの話でした。他国の様にポピュリズムの出現は時間の問題だという意見だ。

 確かに、時間をお金に変えると言った若さをお金に変える思考を閉ざされると若者の生きにくい社会に進む気はします。わたくしも若いときはそうであった・・・この真実は?

 働き方改革の末路は日本消滅?おっさんCはこう主張している。働き方改革により女性の社会進出が増える。これにより納税者が増える事で税収が増え社会保障が進むが、少子化はさらに進む。政府は、子育て、家事を舐めている。仕事終わった後の子育て、家事がどれほど大変か分かっていない。しかし働き方改革により共働きを選択しなければならない世帯は増えている。

さらに共働きにより保育園等の利用は必須となってくる。

 大阪市なんて納税額によっての保育園利用料しかホームページに載っておらず、納税額が多い場合は、3歳児未満の保育園料は月70,000円を超える。自分の納税額なんてあまり意識していないので、保育園利用料がいくらになるかなんて事前に調べている人は少数で、実際生まれてからその高さに驚愕している人は少なくないとのこと。この不親切さは、政府が隠したい真実じゃないかと主張されている。補足するとこれは世帯年収らしい。年収400万の2人の場合は年収800万世帯で計算されるとのこと。保育園料を払うために働くといった矛盾がこの日本では起きている。2人目、3人目を考えるにあたりこれはかなりのネックである。働き方改革を推奨するのであれば、子育て世代が得する方針が無いと少子化は進み一方である。こないだこんな話を聞いたことがある。。子供一人を保育園で保育するためにかかる費用は40から50万かかる。そのうち大半を税金で賄っている。子供一人につき30万無条件で世帯に支給した方が税支出は少なくなるとか・・・確かに、子供を産むことで経済的に苦しくなっている世帯は量産型サラリーマンの中では「常識」だと思っていた。

 働き方改革は少子化を進め日本消滅を早めている。この真実は?

 気づけば、終電の時間だ。日本は経済的に恵まれている人が政治家になれ、経済的に恵まれている人が情報を発信出来る国なのは前々から認めたくない真実として分かっていたが、今日は量産型サラリーマンの方々のコメントが聞けた。これが現代日本人の大多数ではないか?と考えさせられる一日だった。

 幸福度ランキング58位の日本。とっても考えさせられる一日でした。

 しばらく通ってみよう。おっと、京橋の終電が。。。

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