第3話 恋と私とフレンズと

 『ねぇ、みんな好きな人いる?』

 そう聞かれた時、私の脳内は? マークで覆われた。


 好きな人? すきなひと? スキナヒト?


「ちいはいるの?」

「エッ、な、ナニが?」

「何がって、好きな人がいるのかどうかってこと」

 やっぱ、そう来るよね…。と思い、隠し事をするのが苦手な私はつい、暴露してしまった。


「いる、よ」

 変に緊張していたせいか、喉から出た声は少し掠れていた。


「やっぱり!! 」あの子の目が悪戯に輝いた。

「絶対いると思ったんだよね。ちいの好きな人ってさ、お」

「ちょっと待って! ストップ、ストーップ!」

 すんでのところで、あの子が核心をついたようにあいつの名前を言うのを阻止する。


「な、な、何で知ってるの?」

 誰にも言ってないはずなんだけど。


「言わなくてもわかるよ。だって、バレバレだもん。ね?まる子、ななちゃん」

「うん。見てればわかっちゃうね」

「わかるわかる」

 まる子とななが交互に言う。何でだ。あいつとは極めて普通に接していたはずだけど。

 おかしいな。私は疑問に思い聞くことにした。

「見てればわかるって、私そんなにわかりやすい?」


「「「うん」」」


「即答…」3人とも即答するなんて。私ってどれだけセキュリティがら空きなんだろう。


「ソウデスカ……」


 1人しょぼーんとしていると、見かねたまる子が言った。

「まぁまぁ。どのみち、うちらにはバレることだったし。うちら、ちいのこと応援するよ!」

「そうだよ! 私たち全力で応援するから。一緒に頑張ろうよ」

「頑張れ、ちい」


 あの子も、まる子も、ななも応援すると言ってくれた。

 隠してきた恋心がバレるのは複雑だったが、それでも応援してくれる友達がいるのは、こんなにも心強いのだということを知った。ような気がした。


「うん! 頑張る。3人とも、ありがとう」

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どうして、死にたいなんて言えたんだろう。 沖田千尋 @chihi_4869

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