絶食をすると、見えて来るらしい。

部屋の隅に、着物を着た小さな女の子。

人によっては、男の子の事もあるけどね。

最初はボンヤリしてるけど、絶食する回数が多くなると、だんだんハッキリして来る。

絶食が酷くなって、時々意識が無くなりかけると、スーッと近づいてきて、こう囁くんだ。

「さみしいから、一緒に行こう…」

そこで、ハ！

と目を覚ますと、やはり部屋の隅からコチラをジーっと見ているらしい。

険しい顔つきの時と、

嬉しそうな顔つきの時があって、

絶食度合いが増せば増すほど、

なぜか嬉しそうな顔つきの度合いが増すそうだ。

絶食が本当に酷くなって、

最後に気を失いそうになると、

また、スーッと近づいて来て、

今度は手を取ってくれるんだって。

「…待ってたよ、一緒に行こう」

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