第6話 対象者は

対象者は、発送をもって返させて頂きます。


今風に言えば、当たった人にはメールでお知らせします、と言う事だけど。


本当はどうやって決まるのか?

誰も知らないよね。


ちゃんとクジ引きしてる時もあるけど、エイやで決まる時もある。


そもそも、申し込む人が少なければ、後はいかに目立つかだ。


申し込みが、ハガキだった頃は、みんな色々と目立つ手段を使っていたらしい。


ハガキ一面に可愛い色を塗ったり、可愛いイラストを描いたり。後は、ハガキに色々と貼り付けて来る人もいたそうだ。


そういう一手間をかけると、以外に採用される頻度が高くなるらしい。


でも一番応募に当たる確率が高いのは、兎に角沢山応募するんだそうだ。


出し続けて常連になると担当者の目にとまりやすくなるだけでなくて、運の神様も味方してくれるんだろうね。


今は、メールが主体だから、同じ人が沢山出すとスパムメールと間違えられちゃうからダメだよ。


ヤッパリ、エッチなイラストを添付するのが一番だと思う。


それか、メールに思いを込めるのさ。メールを送る時に、ファイルを添付しますか? というオプションがあるだろう。実は隠しコマンドがあって、ある方法を使うと自分の「思い」をメールに添付できるんだって。


「思い」の種類には、「懸賞に当たりたい」という思いもあるし、「君が好き」「付き合って」というのもあるらしいよ。


思いのこもったメールを受け取った相手は、そのメールを受け取ると、添付したファイルを開きますか?というメッセージが表示されるんだ。


なんだろう?と思って「はい」って押しても、ファイルが出てこないから、受け取った相手は不思議だよね。でも、思いはちゃんと届いているから、大丈夫らしいよ。


最後に一番大事なこと。


黒い添付ファイルは絶対に開いちゃダメだよ、あちらの世界に堕ちてしまうから。

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