如く

水色の空は灰に滲む。

白々しいほど、つんとした曇り空


ああ、なきたくもなる ざんねんな そらもよう。


鼻の奥がつんとするって さぁ かっこわるい ねぇ

雨粒も落ちるような、水面状の薄情さ、なら

くらいくらい。


途をふみ外し、必死に櫂で漕ぐ、糞でかい筏を


「大海に向かう未知は限りなく易しく在りて

取るに足らない時は無情にも、不条理にも奢れる」


夢に溺れて目が覚める。なら、よかったよかった


なあ、笑いたいのか泣きたいのか

しけっているのは誰の所為か

うそつきと本音が交互になみだつ

つらいからどっちかにしてやってくれ


【しかともくされる、うつろはな】


しかし、襖の穴はいつ開いたものか、

今の今まで隠れていたようだが

羽織物すら誇りを眩す、


「あれはだれか。」


微動だに舌は、私

誓いだけがごろりと

転じる

何冊目かの日記帳はすべて白紙

名前だけが描かれる、表皮によわい

通り越して白骨化した

私の思念だけがいたいいたい


からからの喉がなり続ける


叫べども、

張り裂けんばかりの、

胸を借りて、


あなたが泣いているのを、


見ている。

春風を装う薄紅の花弁は嘘つき

小雪が舞うだけの仄かな煌めき


20/6/12

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