途に茂る雑草は鋭く傷を着せる

潰れた眼では路面列車の先は見えない、

天は幾度も巡っているらしい、風の噂だ

乗り込んだものの行方は知らぬ

路傍の意識は遠のくことを知らない

白銀の舞が覆い隠す空はてんで眩む

ただ奔り続け、

障れもしない、足取りを滴らせる

だれの祈りか、置いてきぼりの砕石

積み上げられては、緩やかに揺らめいて

行く先を促すように

下流に引き寄せられる

笹の舟を追う

月の灯りが浮かぶ湖上を滑る黒い鳥

魂の渦に、胸を掻き毟る

剥げた地上を啄む骸に架ける

とめどもない流れ

土砂降りに刺された、

押し葉の余熱

この目を滑らせる、言の葉のしるべ

心にも入らない、誰もいない夜空と

慕い 憂う。


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