哭き風

氷上に吐露した朽葉 時に流れる

季節はスライドを重ねる微粒子たち

誰のものにも二度と靡かない睫の艶

声帯を潰した天邪鬼の嫉妬も息が上がる

駆け足で滑り台を駆け どこへ行くか朔風


めくるめく月と陽を未来に反カエし

うらみつらみも並び立て、さまさま、

素と底に敷く。眼孔の恨み裏道、私は

小夜嵐に過ぎない


黒く塗る、折々。つづらにかさね、色目

数え歌を巧み、含んで下さいますか

焔を灯したものの仄かな便りは逆風とも

栞がいちまい、残されておりましたが

彼方に届けとばかりに、

あなたの思うがままに、

過去を綴じ薄紅の帳トバリで奔らせる


オモイモノ


求める侭に風声を尋ね、やはり信じていた

青い花弁を引き抜いて願いを込め贈りましょう


祖の冷鉄に強いて子の急行列車

赤花のおくるみを抱きお送りします

何時か誰かに結ぶ果実のように

首を刈られても、私は亘り手征く


私を好きに生かせば善い、窖の導き人よ

抱かれれば 一介、解け仕舞うは添う凪よ

どうか透きに、私のことなどお気になさらず

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