第15話【曲士】

夜陰に腐敗する。

その太陽に削がれた視界に伝染り

昇華する淡彩色を魅せた物あり。

取り違えて 置き直して

尚誰も気づかないと、たかだかと。わらう。

すると足を止める輩がいた

どうやら影を拝したようだ。

自らを貶める一笑が

天から槍と降る。

如何にも簡単にざぶり とぷんとイドに堕ちる

転げた有様は井の中の蛙そのもの

底に網を模して表れる多量の砂利を喰らい

溺れてゆく。

祖の穴と同化していることに、

気づいてはいないのだ。

天を見つめることも無く

そこが浅いことも知らず。

藻掻き苦しみ視界に酔い逝くしかない。

その足に餓鬼が絡み憑き元から離れない

所詮石ころが充たされた井戸の魅せた

水面の尽きに他ならない。

夏虫は氷を語らず。

無垢な瞳が総じて見透かすまで

その腕で築かれることは無い。

広がり続ける深淵に追い縋る鸚鵡オウム

空をただ、轟いて射る雷雲。

首を刎ね、しかし羽根も下らぬ

羞恥と復讐に羨望を違えても

ぴんと奔る風に

ひとつぶの単眼を持つ雲は

どろどろのぬかるみに堕ちた者

嫉妬に狂う子供に成り下がる

盛り上がった土砂がうわべに現れ

何度と無く天道に焚かれ乾され

丸められた角が未知を開いても

時を待つばかりの風に由来する風見鶏

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