ロジカル探偵

森亜茶 寺夢

一人目

 それは雨の日だった。傘を壊さんばかりに打ち突ける雨がため息をかき消していた。たった十分ほど歩いただけで靴下がぐしょぐしょになるほどだった。傘を折り畳みながら靴を脱いでいると、靴箱の横から人影が現れた。

「おう、悪いな、こんな雨の日に呼び出して。ほんの一時間前は晴れていたんだけど。」

 彼が涼介、西涼介。僕がわざわざ夏休みにもかかわらず、学校に来たのは涼介からメールが来たからだ。

 <もし、いま暇だったら午後二時に学校に来てくれ。>

 短い文面だったが、涼介からのメールだったので、まあ行って見ようかと思ったらこの雨だ。しかし、約束したからには破らないのが僕の信条。

「まあ、こっちに来てくれみんな集まってるぜ。」

 みんな?不思議に思いながらも涼介の後をついて行くと、図書閲覧室と書かれた部屋に来た。図書閲覧室というのは図書室の本を読むための場所なのだが、わざわざそんなところで読む本の虫がいるわけでもないので、普段は文芸部の部室になっている。文芸部は二宮や涼介を加え、十九人の部員がいる。とはいえ、本来の活動をする部員など一人もおらず十九人の溜まり場となっている。

 中にいたのは、四人。テーブルを円形に並べて、なにやら話し合っている。

「どうだ、あらかた決まったか。」

「いや、皆の日程が合わなくてね。」

 涼介の問いに答えたのが、野村達也。親がPTA会長で野村も生徒会会長。そこ横で本を読んでいるのが、福田正夫。羨ましい限りの成績で野村の幼馴染だ。

「二宮君、ここに座るといい。」

 会釈しながら野村の差した席に座る。野村はクラスメイトを君づけで呼ぶ癖があり、絵に描いたような生徒会長だ。

「明日から行けばいいじゃないか。」

「えーでも、服とかまだ決めてないし。」

 西の提案に不満を言っているのが、森玲奈。今は転校してもういない(というのが表向きで自殺したという噂も流れてる)元生徒副会長の彼女。その横に座っているのが宮本愛弓。そして、横で本を読んでいるのが遠藤憲一。人と話すときは明るいが、話しかけない限り本を読んでいる。

「涼介、これなんの集まりだ?」

 涼介にこの状況に最も相応しい疑問を口にすると、

「あれ、まだ涼介言ってなかったのか」

 基本的にこの場を仕切っているのは野村のようだ。

「ああ、急いでたんでな。」

 全く信憑性のない言い訳を悪びれずにいうのはさすが涼介といったところか。

「実はな、木村の別荘がちょっとの間だけ使っていいことになってな。」

「正確には三日間。」

「へいへい生徒会長さん。で、我が文芸部は遠征に行くことになった。というのが表向きで、実質キャンプに行こうということだ。費用は全部木村持ちだから、行かない手はないだろう。」

 なるほど、要するに木村の財布で遊ぼうという訳だ。ちなみに、木村は文芸部員であり、資産家の息子でもある。なぜ文芸部には生徒会長といい、秀才くんといい妙なメンバーばかり集まるのだろう?

「でも、木村は来てないみたいだけど。」

「こっちには車を寄越してくれて向こうで集合だとよ。ちなみに中村も一緒だ。」

 中村というのも、文芸部員で木村の親友だそうだ。

「で、どうするんだい西君。本当に明日から行くのかい。」

「服なんかさっと選べばいいだろ。だいたい向こうが用意してくれるみたいだし。」

「二宮君は大丈夫なのかい。予定が入っているかもしれないよ。」

「あっ、僕は大丈夫です。」

 正確には明日漫画を買いに行く予定だったのだが、キャンプならばまあいいだろう。

「では、木村には俺から連絡しておくよ。明日のそうだな、朝の八時学校集合で大丈夫かな?」

「さすが、生徒会長頼りにしてるぜ。」

 ということで、急いで明日の準備をした。幸い、特に買いに行くものもなく、万全の状態のはずだった……。

 ピリリリリリリリリリ

 異常に長い電話の着信音で僕は目覚めた。

「もしも……」

「何やってんだ!もう朝の八時だぞ!」

 涼介の怒声で目が覚めた。まずい、寝坊した。急いで服を着替えて学校に向かったが、涼介の機嫌は最悪だった。

「悪い、寝坊しちゃ」

「言い訳無用!」

 本当なのだ。荷物は完璧に用意したのだが、寝たのが午前一時。寝坊して当たり前だ。しかし、人数が少ないような……

「森と宮本はどうした?」

「彼女たちも寝坊のようだ。」

 よかった、自分だけじゃなかった。二分後女子二人が来て、キャンプ場へと車が走り出した。最初こそ涼介の機嫌は悪かったが、キャンプが楽しみなのだろう、すぐに機嫌を直した。そうして三時間ほど走ると、まさに金持ちの別荘といえる建物が姿を現した。車を降りると、木村と中村が出迎えてくれ、すぐに昼食となった。

「うまそうだな。」

 すっかり機嫌を直した涼介は真っ先に料理に飛びついた。

「別に席は決めてないから自由に座って。」

 言われるままに僕は涼介のとなりに皆それぞれ席に着いた。

「にしても意外だね。学年トップの福田君も来るなんて。」

 皆見たこともない高級料理を食べる中、最初に沈黙を破ったのは中村だった。

「別に毎日勉強してるわけでもないし、遊べる時には遊ぶ方がいいしな。」

「さっすがー。才能のある人は違うねー。」

 こうして、無駄な話をたらたらしながら昼食を終えると自分の部屋に案内された。

「ここは父が観光者向けの宿として建てたから、各自の部屋にバスルームも冷蔵庫もついてるから自由に使って。」

「観光者向けってことは誰か泊まりに来るかもってこと?」

「いや、まだオープンしていないから誰も来ないよ。宿としての問題がないかどうか確認する目的も兼ねて君たちを呼んだんだよ。」

「問題って、壊れるかもしれないの?」

「そういう問題じゃなくて、ベッドの位置が変とかそういうことだよ。」

「なんだ、安心じゃないか。でも、俺たちが最初っていいよな。よし、早速部屋割りを決めようぜ。」

 宿は東棟と西棟に分かれていてともに三階で屋上がある。東棟と西棟はどの階も通路で繋がれている。ドアがあるが鍵はないらしく自由に行き来できる。東棟の一階に玄関があり、西棟の一階は従業員用部屋になっている。東棟の部屋割りは二階の通路側から涼介、僕となっている。南北で分かれていて、南が僕たちの部屋、北が広間である。西棟は北に宮本と森、南は空き部屋となった。三階は東棟は北が広間、南が食堂と調理室で西棟は北が木村、中村、野村で、南が遠藤、福田、空き部屋になった。三階の調理室では本来はコックがいるみたいだが、今回は野村と中村が全員分作ってくれるらしい。また、広間には誰が使うのかわからない机と椅子が両端にポツンと置かれている。

 部屋はホテルのようなつくりで、宿としては申し分ない。シャワーやトイレはもちろんテレビや冷蔵庫もついている。ちなみに、二階と三階の広間にも冷蔵庫があり、どちらを使ってもいいそうだ。

 部屋に着いて荷ほどきをしていると、

「にのみやー、外散策しようぜ。」

 テンションマックスの涼介が誘うので、ドアを開けると、広間には僕より先に呼ばれてであろう木村と中村と遠藤が待っていた。

「宮本と森は誘わなかった。福田と野村は行かないってよ。」

 涼介ともあろうものが女子を誘わないとは。本気で涼介を心配していると、堂々と部屋に入ってきた。全員が揃ったところで、

「男子諸君、作戦会議だ。」

 サクセンカイギ?聞き間違いか。作戦会議と聞こえたような……。

「今回のミッションは森の盗撮である。」

 間違いない。作戦会議なのだ。そしておそらく森林を盗撮するのではなく、森玲奈のことであろう。要するに、学年で一番美人と言われる森玲奈を盗撮しようというのだ。だから、女子には声をかけず、健全な(というか責任を被りたくない)福田と野村と遠藤は来なかったのであろう。

「今回の作戦の要は中村お前だ。」

「僕のこと?」

「当たり前だ。他に誰がいる。今から中村の部屋に移動して、上からカメラを仕掛ける。俺と二宮で、中村の注意を逸らす。その間に中村と木村は森のベランダに降り、カメラを仕掛けろ。それが終わったら建物の横についてある、水道管につかまって登って自分の部屋に帰れば作戦完了だ。」

 普段の涼介らしくないので(盗撮ではなく観察眼が)疑問を挟むと、

「建物の横の水道管なんて、いつ見たんだよ。」

「建物に着いた時だ。森と中村と福田の部屋には他とは違い、ベランダがあり水道管もある。まさしく、盗撮用のつくりになっていることに気がついたのだ。」

 ……、さすが涼介。たったそれだけのことで、この作戦を考えるとは変態としか言いようがない。しかし、

「僕は抜けるよ、バレたら怖いから。」

 僕には学校カーストのトップにカメラを仕掛けるなんて度胸はないので辞退しようとするとこちらに近づいてきて、

「おい、二宮。駅でのことをバラしてもいいんだぞ。」

 この言葉は僕を作戦に参加されるのに充分すぎる脅しだった。他の二人もこんな感じで誘われたのだろう。

「よし、作戦決行だ。」

 そうして、中村の部屋でカメラを用意した後、僕と涼介は森の部屋に向かった。慣れた手つきでドアを叩くとガサガサと音がして、ドアが開いた。

「やっぱりあんたね。まだ一時間もたってないじゃない。あら、二宮君もきてるの?二人揃って何の用?」

「せっかくこんなところに来てるんだ。自然を楽しもうと思って。」

「こんなところに来てまで口説かなくてもいいじゃない。」

 ひどい言われようだが、目的はカメラを付けることである。後ろでは着々と作業が進められている。

「じゃあ、私まだ荷ほどき終わってないから。」

 まずい、後ろを向かれたら一貫の終わりだ。そう思った次の瞬間、

「ねえ森さん、前にハンカチが落ちてたんだけど、違うかな?」

 自分のポケットから自分のハンカチを出していた。しかし、

「これ男物じゃない?西が落としたでしょ。」

 当たり前である。自分のハンカチだけでは稼げる時間は限られていた。ベランダでは中村がまだベランダに立っている。すると、中村がこちらに気づいて何を思ったのか外へと飛び降りようとした。それを見ていた涼介は不覚にも「おいっ」と言ったしまった。もちろん森も後ろを向き、自分のベランダから飛び降りようとしている男を見つけた。三人ともベランダに駆け寄ったが、中村は飛び降りた後だった。慌てて下を覗き込むと、中村は平気な顔で僕たちを見上げている。よくみると、地面にはかなり草が生えていてクッションの役割を果たしたようだ。僕も涼介もよかったと胸をなでおろしていると、

「これは何かしら?」

 僕たちと一緒にベランダに出てきた森がカメラを見つけていた。

「さあ、もともとあったものなんじゃないですか。あまり触らない方がいいですよ。では、これで失礼します。」

 涼介が滅多に使わない敬語を使って退室しようとしたが、

「ちょっと待ちなさい。これカメラよね。」

 バレた。当たり前である形状がカメラなのだから。

「いや、カメラには見えませんが。」

「どー見てもカメラでしょうが!なんでこんなものが私のベランダにあるわけ?答えなくてもいいわ、どうせ盗撮しようとしてたんでしょうね。」

 森はカメラをもてあそんでいる間に僕だけでも退室しようとすると、

「ちょっと待て、お前だけずるいぞ。」

「ちょっと待ちなさい。無事に帰れると思っているのかしら。」

 涼介の怒りは慣れているからともかく、森からの「生かしておかないぞオーラ」を感じて、僕は無意識に立ち止まった。

「冗談よ、帰ってもいいわ。西にやらされたんでしょ。」

 安堵感が体を埋め尽くした。冗談で人を殺さないでほしい。ペコリと頭を下げて帰ろうとすると、涼介も一緒に頭を下げた。

「では、俺も」

「あんたは別よ。これで何度目よ。」

 これまでに何度も盗撮してきたらしい。まさしく変態。

 これはあとから聞いた話だが、涼介は三十分ほどこき使われてから解放されたらしい。

 ちなみに僕は疲れて寝ていた。起きたのは夕食前だ。あんなことがあったのでできれば夕食は自室で食べたいと思ったが、そんなわがままは許されないらしく大人しく食堂で食べることになった。さぞかし涼介と森の仲は悪いんだろうと思ったが、すでに仲直りした様子だ。森も慣れているのだろうか?何はともあれ無事に夕食を乗り切った僕はさっさと休むことにした。この時から恐怖の殺人劇が幕を開けているとは知る由もなかった。

 プーン、プーン、プーン、パシッ!

「ああもう、鬱陶しいなあ。」

 翌朝、五時少し前に起きた僕は独り言を言いながら蚊と闘っていた。疲れていたので、寝る前に蚊取り線香を置かなかったのが災いしたらしい。今時蚊取り線香というのもどうかと思うが、文句は言えない。これ以上闘うのも気が引けたので、広間に行くことにした。もちろん、こんな早くに誰かがいるわけもなく……ん?

「こんなところで何してるんだよ、涼介。」

 そこには椅子に座ってくつろぐ涼介の姿があった。

「何って見て分からないか。次の盗撮について考えているんだよ。」

 ……じゃあ、見ても分からないはずだ。それはそうと、

「それにしても早起きだな。やっぱりうきうきして眠れなかったのか。」

「いや昨日の夜、蚊取り線香をつけ忘れてな。」

 どうやら、僕と同じ理由らしい。

「そういえば二宮、冷蔵庫の話聞いたか。」

「冷蔵庫の話?もしかして部屋の冷蔵庫が使えないってことか。朝起きて冷蔵庫に飲み物を入れようと思ったら、全然冷たくないから壊れたのかと思ったよ。何かあったのか。」

「昨日の夜冷蔵庫が使えるようになる予定だったんだが、昨日の途中から冷蔵庫の不具合で東棟の部屋の冷蔵庫だけ使えなくなったらしいぜ。広間の冷蔵庫は二階も三階も使えるから、そっちで我慢しろだとさ。主催者の木村自身も使えないから今回は文句言えないな。」

 特にすることもなく暇だったので、ゲームでもしようとスマホを取り出すと、

「二宮、ここ圏外だぞ。」

「えっ、でも昨日は使えたじゃないか。」

「ああ、今日になっていきなり圏外になったんだ。どうせ木村の演出じゃないか。」

 涼介が言った通り圏外になっている。スマホが使えないんじゃすることがないので、二人で無駄話しをしていると、広間の入り口に人影が見えた。

「あら、おはよう。」

 広間に入ってきたのは、森と宮本だった。「こんな早くから何しているのかしら。」

「べ、別に何も……。」

 特にやましいこともないのに狼狽する涼介を見て、

「まさか、また盗撮しようってんじゃないでしょうね。」

 森は予想通りの誤解をした。横にいる宮本は昨日のことを知らないらしく首を傾げている。

「盗撮って、本当にしたのかい。」

 いつの間にか扉の所に野村が立っていた。

 やはり、野村も誘われていたようだ。

「あれ、野村って三階じゃなかったか。」

 涼介の言うとおり野村は三階のはずだ。

「君たちの声が聞こえたからこっちに来ただけだよ。」

 そんなことを言っていると、入口の方に木村と中村の姿が。

「あれ、みんな起きてたんだ。朝食いつでも出来るけどもう作ろうか?」

 さすが接客業の息子だ。朝起きでも嫌な顔一つせず仕事をするらしい。すると、

「朝早くから悪いな。俺も手伝おうか?」

 なんと涼介が自分から手伝いを申し出た!涼介とかれこれ十年近く一緒にいるが始めてである。

「大丈夫だよ。朝ごはんぐらいすぐ作れるから。」

 木村が手伝いを拒否しながら、中村を部屋を出ると涼介はソファでくつろぎ中。こいつ、初めから手伝おうなんて思ってなかったな。そんな風に涼介をけなしていると、「そういえば、福田がまだ起きてないじゃないか。」

 涼介がそう言うので、見渡してみると確かに福田がまだ起きてきていない。

「どうせ、朝早く起きて勉強でもしてるんだろ。起こしに行こうぜ。」

 と言いながら、僕の肩を叩くので仕方なく涼介と福田の部屋に行った。

 コンコン、コンコン、コンコンコンコン

「おーい、福田朝ごはんだぞ。返事がないな。入るか。」

 ガチャッ、ガチャッ

「あれ、鍵がかかってる。」

「当たり前だろ。反対になんで鍵がかかってないと思ったんだよ。」

「だって、このシュチュエーションだぞ。鍵が開いていて入ったら死体がというのがお決まりのパターンだぞ。」

「現実にあるわけないだろ。普通にまだ寝てるだよ。ってどこ行くんだよ。」

「鍵取って来る。」

 涼介が一目散に駆け出したので僕は扉の前で待つことにした。本当に死体があるのではという考えも頭をよぎったが、幸いあまり考える前に涼介が帰ってきてくれた。

「鍵って、これ以外にもあるのか。」

 自分の鍵を見せながら涼介に言った。

「ああ、お前が寝た後に木村が言ってたぞ。もし、死んだりしてたら窓ガラスを割らずにこれで開けてって言ってた。」

 と言いながら、涼介は鍵を開けるとおそるおそる扉を開いた。

「普通に開けよ。」

「だって、死体があったら怖いじゃん。」

 死体があって嬉しいのか悲しいのかどっちなんだ。幸い、部屋には何もなかった。

 何もなかった。

 いや、正確には何もないわけではない。今まで勉強していたのであろうテキスト、脱ぎっぱなしの服、一口しか飲んでいないであろうお茶はある。しかし、福田がいないのだ。

「どういうことだ。福田は寝ていたんじゃないのか。」

 念のためトイレやお風呂場を確認したが、誰もいなかった。

「そうだ、勉強している途中にどこかへ行ってまだ帰ってきていないだけかもしれない。一旦みんなのところへ帰ろうぜ。」

 今回ばかりは反論する理由もないので、僕も広間に帰ることにした。嫌な予感を胸に歩いていると、三階の広間の扉が閉まっているのに気づいた。

「あれ、広間が閉まってる。この広間って確か閉めないんじゃないなかったけ?」

「ああ、そういえば昨日そんな風に言ってたような気がするな。もしかして、福田が中で勉強していたりして。」

 と言いながら涼介が扉を開けた。

「ん、誰もいないな。」

 と言うので、覗いてみると確かに誰もいない。ん?

「なんだあれ?」

 涼介も同じことを思ったらしい。広間のテーブルの下に何かがある。あれは服?いや、あれは……

「うわぁぁぁぁぁ。」

 福田が倒れていた。ちょうど机の下に隠れるように倒れていたからすぐには福田だと分からなかった。

 僕たちの悲鳴を聞いてきたのか三階へと上がって来る足音が聞こえた。

「どうしたんだ。」

 一番最初に来た野村も僕たち同様何か分からなかったらしい。しかし、涼介が指差す方を見るとすぐに理解したらしい。


 そこには生気のない福田が倒れていた

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