僕だけの音




静寂に張り詰めた空気が


喉を締める



段々と暗闇のような夜が


忍び寄る度に


張り詰められた真空が


胸を締め付ける



口を開けども声には成らず


感情を手探りしても言葉は在らず



足下に伸びる影が長くなる程に


闇を孕んだ真空が手足を縛り


月も星も無い空が暗く堕ちてゆく程に


目には見えない真空が伸し掛かる



身動き出来ず


何も見えず


声も上がらず




鼓動だけが耳の内側で鳴っている


煩いくらいに


身体中を這いずり回る血の音が


煩いくらいに






それでも





この音だけは僕のもの



絶やさせるわけには


いかないんだ









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