ぼくのせかい




手で覆った

視界は真の暗闇

ここだけが

唯一安心できるせかい



蔓延る悪意や嘘

満ちる不安や悲しみ

沸き立つ怒りや恐怖




もううんざりだ




だから僕は手で覆って

ここは僕の暗闇

ここだけが

唯一安心できるせかい

そう何度も言い聞かせて



ほっとひと息ついた頃

僕にだけ雨が降ってきた

僕の雨が降ってきた













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る