安らかに





覗き込んだ水面みなも

映り込んだ顔が揺れている

落ちた滴

水面を弾いて

更に歪んだそれが僕を見る


耐えきれなくなって

手でそれを掻き消した

つもりだった

手はなにも掴めず沈んでゆく

行き場のない心が

潤いを求めて手を追いかけた

身体はもう何も言い返せなくなって

そのまま引き摺り込まれ沈んでゆく



ただ、ただ

沈んでゆくのか

それとも

潜っていっているのか

もともと

そこを目指しているのか

何かに手を引かれているのか

向かっているのか

飲み込まれているのか

わからない

わからない


このまま、このまま

光のない場所へ

だからこその安息の地へ

辿り着けるのだろうか

そこでは

安らかに眠れるのだろうか

安らかに笑えるのだろうか


ただ、ただ

手を伸ばす

上へなのか下へなのか

わからない

闇へなのか光へなのか

わからない



ただ、わかっていることは



「        」ってこと












わかっていたことって



なんだったのだろうか













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