食欲旺盛新生物

 さらに二日後。

真夜中に家が破壊され、人が殺される事例が相次いだ。

音もなく、静かに。

もう誰も、手も足も出ない状態。

政府も「最善を尽くす」としか言えなくなっていた。

人類は、出来たばかりのビルなど、強い建物への避難を余儀なくされていた。


 これはヤバイ。非常に。

僕はゲームがなきゃ生きていけない!

家の近くでも死者が出たらしく、避難しなきゃいけないんだが……

充電するとこ、あるかなー。


 とりあえず僕は、スマホに充電器にオタクグッズにその他もろもろをリュックにしまい、近くのビルへ避難することにした。




 家を出ると、何か変な気配を感じた。

僕は気がついた。……今午前2時!!ゲームしてたから忘れてた!


 そして、おそるおそる振り返ると、そこには得体の知れない黒い生き物が!

僕の家を跡形もなく壊していた。

……そう、僕は間一髪で殺されずに済んだのである。



 住む所がなくなった。音愛ちゃん(人形)は一緒にいる。

もう思い残すことは無い。

あいつ、目に焼き付けてやる!



 よく見るとそいつは、黒いモヤのような体の中に無数の触覚のようなものを持っていた。

大きな赤い目に、青い口のようなものも見える。

そして……そいつはこちらを振り返った。

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