神よ。汝は何者だ。
はなはやた
戦争の始まり
『神様って、信じる?』
この何気ない一言は、この世界のすべてを物語っているといえるといっても過言ではありません。
答え方は簡単。「信じる」か「信じない」か
ですが、どの神を、どんな神を、と言及されれば、躊躇う方も居るのではないのでしょうか。
…少し質問を変えましょう。
貴方は、神に話しかけたことはありますか?
「神様、私どうしたらいいの?」
「神様、お願いします…!」
「神様、神様、神様…」
いつどこにでも現れる神様は、その人の話を聞いたり聞かなかったり、叶えたり叶えなかったり…。
では、その神はいったい誰なんでしょう?
えぇ。神、ですよね。神は神。当たり前じゃないですか。
じゃあ、神はこの世に何人存在するのでしょう。
一人?沢山?それは人それぞれですよね。
では、仮に神を一人だと断定して、
ここに二人の人がいるとしましょう。
二人はある選択を迫られます。
「二人のうちどちらかが死ななければいけない。」
どうにも出来ない二人は、迷わず神にお告げをもらおうとします。
すると、神は力の強い一人の人間に
「私のために剣で人を刺し殺しなさい。それが最も正しい方法だ。」と言いました。
私にぴったりの方法ではないか、と人間は喜んで剣を取るでしょう。
一方神は信仰心の強い一人の人間に
「私のために弓で人を射なさい。それが最も正しい方法です。」と言いました。
心の弱い人間でも、神のいうことなら、と勇気を出して弓を取るでしょう。
さて、神はどちらの味方なのでしょう。
二人の人間は、同じ神からお告げをもらいました。と、言えるのでしょうか?
まず方法が違うし、このままではお互いを傷つけ合ってしまうことになります。そんなこと、神は望むのでしょうか?
神なんて、所詮心の拠り所であるのです。
神が言ったから、と言えばどうにでも出来るのです。
…なんていってしまえば、ならこの世はどうやってできたのか。何故私は存在しているのか。という言い訳が出来なくなってしまいますね。
頭だって心だって自分が操作して動いているんです。まぁ、今の行動も神が動かしていることだってありえます…
あぁ失敬、つい余計な話をしてしまいました
ここで少し、私の世界の話をさせてください
この世界では神は存在すると言われています。
しかし、その姿を誰も見たことがありません。しかし、どの国でも、人でも、神にすがる行為がよく見られるのです。
土地の神を信じ、自国を讃える国がありました。
独自の文化を大切にし、昔ながらの祭りや伝統を受け継ぐことを第一にしていました。
恵みの神を信じ、作物を讃える国がありました。
食事、天気に感謝をし、作物を仲間たちと分け合う心を持ちました。
…そして、知恵の神を信じ、科学を讃える国がありました。
私の住む国に、こんな昔話があります。
神の言うことは、世界が信じた。
どの神も、その国だけを豊かにするためだけの言葉ばかり口走り、何かを犠牲にしてまでも得ようをする自己中心的な神だった。
…そんな世界でも。
そんな世界でも、一時期、平和という名の平穏があった。すべての国が手を取り合い、笑顔を見せ笑っていた。
ありえない、と思う人も多いだろう。
そう、そんなことはありえないのだ。
ある愛国者は、他の国とは違い、知恵の神を信じた。そして科学を信じていたのだ。
その威力は凄まじく、世界を一変させてしまった。
そして、裏切りによりバラバラになっていた国々が、再び手を取り合い、武器を持ち戦うようになったのであった。
…面白いですよね。
神を信じれば、どんなことをしても許されるのですよ。
それが善でも、悪でも、なんでも…。
『お前は何を信じるか』
…そうですね。
『私を信じる。』
とでも言っておきましょうか。
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