序ノ三:周辺探索
【プロフィール】
名前:
職業:大学生
性別:女 年齢:20 誕生日:2月24日
身長/体重:158cm/49kg
好きなもの:読書、TRPG
嫌いなもの:レバー、トマト
―――
8月25日12時20分。
『亡くなったのは
「なん、で?私……死んでる?」
――死んだ?なんで?だって今生きてる!フェイクニュース?手のこんだイタズラ?ドッキリ企画?でもあのアナウンサーは公共放送で見たことがある、本物だ。ますます訳が分からない!いやこういうときこそおちつけ……無理だ!とにかくここから出よう。でも、どうやって?
二人の頭の中で様々な言葉、考え、答えが浮かんでは消えていく。
緋山は明らかに動揺し、十日町もまた動揺していたがそれと同時に言葉に出来ない違和感を感じていていた。
テレビでは8月28日のニュースをお伝えしました、とキャスターが番組を締めており、それが終わるとテレビはブツリと切れた。リモコンは見つかっていないので再度つけることは叶わない。
と、そこで十日町は違和感の正体に気づき、スマホの画面を見て確信する。画面の表示は8月25日12時25分になっていた。
「……そうか日付!今日は25日のはずなのにさっきのニュースでは28日と言っていた」
「あのニュースは未来の出来事ってこと……?」
「多分そう。それに28日は今から72時間後、メモにあった『タイムリミットは72時間』とも合うから、72時間以内に出れなかったら死ぬってことか。でもどこか――
次の瞬間、ガチャリと音がした。
――ら?」
何かの鍵が開くような音だった。
音は左右から響いてきた。音の方を向くと何もなかったはずの壁に扉があった。まるで最初からあったように。
カウンターから見て右側には二つの扉、そしてそれぞれに『101号』『102号』とあり、左側には『103号』とある扉があった。
「なんで扉が……!?」
「もう訳がわかんないな……ここから逃げろってことか、鍵を探せってことか」
「扉開けたらゴールっていうのが一番なんだけど、鍵……かなぁ」
「だよな……」
二人は意を決して『101号』とある不可思議な扉に手をかけ、開ける。
扉は抵抗なく開いて、二人を部屋に入れた。
中は窓がないということ以外は普通のホテルのようで、ベッドやテーブル、椅子、備え付けのクローゼットがあった。といっても二人はホテルに泊まった経験が修学旅行くらいしか無かったので「普通」というものがよくわからなかったが。
「見た目がおかしいところは、ないね」
ただ、そんな彼らでもわかる変なものが二つあった。
一つは、「緋山」と書かれたネームタグが括り付けられている錆びた鍵。
もう一つはハンマー。両手で持つタイプの大きな物で重さは3kgくらいだった。
二人は101号室をひとしきり調べたあと、102号室を調べた。
102号室も窓がないということ以外は普通のホテルの部屋だったが、やはり変なものが二つ置いてあった。
一つは、「十日町」と書かれたネームタグが括り付けられている錆びた鍵。
もう一つが『
だが、最後の103号室は様子が違った。
101号室と同じように『一つの扉から出れるのは一人だけ』と書かれたメモこそあったが、その部屋にはベッドや椅子が置いていなかった。
代わりに、部屋の中心に大きな冷蔵庫が二つ置いてあった。
二人は嫌な予感を感じつつも、冷蔵庫を開けることにした。
二つの冷蔵庫の両開きの扉を二人が同時に開けると、示し合わせたように中にあった物がごろん、と落ちてきた。
二人は反射的にそれを避け、それを見てしまった。
「は、え――???」
それは、肌が青白く、唇が紫を通り越して灰色になった、完全に生気を失った二人の全裸の肢体――
つまるところ、自分自身の死体だった。
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