18年間の願い

第1話

　なんの為に生きているのか。そう聞かれれば、私は真っ先にこう答える。「世のため人のためになるように生きている」ここで、「私の為」とか「なんの為でもない」とか言えればカッコイイのだけど、私にはそんな自意識はない。なんの価値もない人間だから、少しでも誰かの役に立たないと、本当に無価値になってしまう。他人に依存することでしか、自己を見いだせない人間なのだ。

　こんな私を、私は非常に嫌っている。

　そもそもの話、何故私の自意識は、ここまで歪み堕ちているのだろうか。色々要因は考えられるが、そのひとつが中学生時代の扱いだろう。

　端的に言えば、虐められていたのだ。といっても、私の場合、『いじり』がエスカレートしていき、弄っている側も弄られている側も『虐め』という感覚が全く無いものであったが。実際、虐められている最中の私は、「私の扱い荒いなぁ」くらいにしか考えていなかった。しかし、容姿をこき下ろし、菓子のゴミを鞄に詰め、何度も叩き、何か不備があれば「あずきちゃんのせいでしょ〜」と押し付けた彼女らの行為は、虐めにあたると今は考えている。

　もちろん、私にも虐められる要因はあった。無駄に高いプライドのせいで、軽い弄りにも過剰に反応し、持ち前の要領の悪さで、多大な迷惑をかけていた。

　自分で言うのもバカな話だが、小学生の時の私はそこそこに目立つ人間であった。誰にでも話しかけ、そこそこに仲良くなれ、生徒会の推薦に上がるくらいには影響力があった。考え方がズレているせいか、「変人ちゃん」枠ではあったのだが。ところが、中学に入ると、先程述べたような悲惨な学生時代になってしまった。私の人間性に変化はないのに、どうしてこんなにも違うのか。その要因は、正直私には分からない。

　そして現在、高校三年生の私は、それなりに楽しい学生生活を送っている。ねじ曲がった自意識と人見知りのせいで、新たな友達は片手で足りるほどしか増えなかったが、その分、趣味と勉強に打ち込んでいる。現に今も、自分の人生について好き勝手に書き散らしている。

　しかし、そんな生活も、あと半年で終わってしまう。大学生になった私は、楽しく学校に通えているのだろうか。友達や恋人は望まないから、虐められることのない学生生活を送りたい。私がどれだけ人間として欠落していても、それくらいは望ませて欲しい。

　いっちょお願いしますよ、神様。