第42話重要会議
委員会に姉帯さんと新妻さんが来てくれた日から数日、ぼくはふたりのおかげで相変わらず楽しい学校生活を送っていた。そんな中、学校は少しずつある行事に向けて活気付いてきていた。
二学期最大のイベントが近づいているのである。
それは、
文化祭‼︎
今日はうちのクラスでも出し物を決める会議が開かれていた。
お化け屋敷がいいと思います!
やっぱりなんか飲食店がよくない?
たこ焼き!たこ焼き屋さんはどうですか!
屋台っぽく焼きそばもいいんじゃない?
こういう行事にはあまり積極的じゃない人がいるかと思っていたけれど、うちのクラスはみんな乗り気のようで会議は盛り上がりを見せていた。
ちなみに僕は「占い師をやるのはどうかな?」と発言したけど、小声すぎたのか、みんなの熱気でかき消されてなかったことになっている。
ありそうだと思うんだけどなぁ、占いの出店。
めげずにまた発言の機会を伺うことにする。
たくさんの発言が飛び交い、教室は喧騒に溢れている。じっと機会をうかがっていると、一瞬みんなの発言がなくなり、静かになった瞬間を感じた。
今だ!
そう思ったときにはもう、ぼくの口は動き出していた。このチャンス、絶対にものにする!
「占いの…」
「メイド喫茶はどうだ⁉︎」
「はぁ〜⁈ 男子キモッ」
「やっぱりおばけ屋敷だろ!」
「…占い。」
またも他の人の発言によって僕の案は発信されなかった。項垂れているとポンポンと肩をたたかれる。
「ドンマイ弟月くん、占い、いいと思うよ!」
「う、姉帯さん。ぼくダメだったよ。」
「弟月くん占い好きなの?」
「あ、いや、昨日テレビで見てすごくいろんなことを占いで当ててたから、すごい!って思ったんだ!」
「お、おぅ。弟月くんは素直だもんね。これは将来お姉さんがしっかりしないと!」
「?どういうこと?」
なんて姉帯さんと話をしているうちに、なかなかみんなの意見がまとまらないため、みんなで自由に相談していい時間をとることになったようだ。
早速ぼくと姉帯さんのところに新妻さんがやってくる。
「なんかいいのあった?」
「ぼくは占いなんてどうかなって思うんだ!」
「占い。次の週末は、私と弟月くんの相性を占ってもらいに行こう。結構有名なとこ知ってるから。」
「こらこら結ちゃん。デートの約束してないで文化祭の出し物を決めますよ。」
「それなら私も占いでいい。占い師姿の弟月くんを写真に収める。レアじゃない?」
「え?」
「いやいや、それならお姉さんはお化け屋敷で!ビックリしてお姉さんの胸に飛び込んでくる弟月くんを写真に収めます!」
「お化けコスの弟月くん、ありだね。」
「あの?」
「いや、待って⁉︎ ヤバいこと思い着いた‼︎」
「言ってみ〜。」
「弟月くんのメイド姿‼︎これこそ至高!」
「それだ!お姉さんもメイドの弟月くんにご奉仕してもらいたい!」
「僕男だから、執事だね。メイドじゃないね。」
「あぁ〜執事の弟月くん。ヤバいわぁ。」
「オプションでキスとかある?」
「ないと思うよ。」
「ツーショットはあるよね?」
「あの、まだやるとは決まってないからね。」
「おっとお姉さんとしたことが、ちなみに弟月くんはメイドと執事だったら、どっちになりたい?」
「……」
「弟月くん?私はメイドがいいと思うよ?」
「ぼくも、ぼくも姉帯さんと新妻さんのメイド服姿が見たいな!…なんてダメだよね。」
「メイドやります!」×2
クラスの出し物はメイド・執事喫茶に決まった。
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