時捜タカヤマ、3時を追う
塚野 夜行
第1話
君たちは時間管理警察というものを知っているだろうか。
これを読んでいる君たちの時代からすれば遠い未来に組織された機関であり、名前の通り過去現在未来の時間を管理し、時間に関する犯罪を取り締まる。方法と機材さえそろえれば時間への干渉が可能となったこの時代に、歴史をひっくり返しかねない時間犯罪への対策は各国の政府が率先して行っていった。二ホン政府は警察庁管轄の下、その時間管理警察という組織を立ち上げたのだった。
定員2000人。本部組織は時間管理部、生活支援部、総合捜査部、警備部に分けられ、まだ一般人にはほとんど普及していない時間移動の技術をサポートしたり、その悪用の対策において中心にもなる。
そして、創立から20年ほど経過した今、時間管理警察設立以来の大事件が起こったのだった。
時は西暦2×××年。都に置かれた東京時間管理警察署を揺るがす凶悪な事件が明るみとなった。真っ白な婚約指輪ケースを連想させる立派なつくりの建物である署内に対策本部が置かれ、年末の大掃除のようにあわただしく、しかし行き交う職員の顔は緊張感で満ちていた。その対策本部の入り口の扉にかけられた掛け軸のような白い紙にはこう書かれていた。
『3時盗難事件対策本部』
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