第3話

僕はこっそり食堂へ行ってとび色の厚紙の箱と小さなジャムの瓶を取ってきた。


瓶に入っている潰してしまったチョウチョの欠片をポケットに入れて隣の家へ向かった。






彼は家の前にじっと立っていた。



僕が来るのを待っていたかのようにそこにいた。


僕が彼の前に立つと「謝らないでくれ。」

とつぶやいた。




「君はチョウを乱暴にあつかい、人のものを盗み、それを壊す奴だ。

でも、理由はまだある。」




彼の目に一瞬哀しみの色が見えたきがしたが、また軽蔑した目で見ていたのだろう。


僕は当然だろうという気持ちになっていた。



僕はチョウの扱い方も悪く、彼のヤママユガも盗み、壊した奴だ。



僕は元来た道を引き返した。



後ろから彼が何かを叫んでいたが聞き取れなかった。















「あの時何を言ったのか聞いていれば良かったよ」と彼は静かに語り終えた。

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エイミール~少年の日の思い出~ Ley @Ley0421

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