変人

Ley

第1話

何かの小説で、君と僕は方向性が違う、反対にいる君と僕はずっと互いを見ていたんだ。という部分があった。


その小説は、極にいる男女が互いに互いを尊敬し憧れを抱くというものであった。


割と有名だったその本は友人の多くが読み、そしてその本を、恋愛小説と評した。


自分はどう思ったのだろう。


読んでいる途中で不快感を覚え、そのまま本棚に仕舞った。


その作者のほかの作品は好きだったし、本を最後まで読まなかったことが今までに経験のないことで、自分でもなぜあの本が読めないのかはわからなかった。





只、その作品を進めてきた君はひどく不思議がった。


君は自分達の関係性と、この作品を重ねて読んでいたらしい。


恋人とも友人ともいえないこの関係性。


多くの人間は男女が共に行動していたら、お付き合いをしている男女もしくはそれに準ずる関係だと考えるらしい。


その評価を否定はしなかったし、関係性を聞かれたらそう答えるようにしていた。








君はどう考えてるのだろうか。


君のことだからなんも考えてなかったとか言うのだろうか。


それとも恋愛対象として見られていたのだろうか。

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