異世界から来た赤子が成長し学校生活を送りながら世界を救う話
へいほー
第1話 プロローグ
青年は駆けていた。今は戦場と化してしまった生まれ故郷を。
「はあっ、はあっ……」
しっかりと小さな命を抱え込んだその肩を上下させながらそっと崩壊した建物の影へと身を潜める。あたりはすでに炎の海へと化している。飛び交う炎、その一発にでも当たってしまえば死ぬ。たとえ死ななかったとしてもこの状況では未来なんてないだろう。
何故?どうして?そんな疑問はとうに捨てた。その言葉をいくら唱えたところで誰がこの現実を変えられるとでも言うのか。
この世界に神などいない…
この世界は何も変わらない…
青年はその腕に抱えた赤子を一瞥する。
その赤子と青年には決して血の繋がりがあるわけではない。ただ、戦場を駆け巡っていた時に偶然目に留まっただけだ。でも青年にはその出会いは言葉1つでは言い表せないような何かを感じていた。
自分には不可能なことがこの赤子には出来るのではないかと…
彼に託しても良いのではないかと…
そう思う中で罪悪感にも似たような情も感じている。まだ幼いこの者にこのような大きな十字架を背負わせても良いものなのか。
しかし、戦場は非情である。そんな思考をしている時間など一片もない。周りを囲っている炎も時が経てばたちまち大きくなり、いずれは赤子もろとも燃え尽きてしまうだろう。
だからこそ彼はたった1つの言葉と共に赤子をどこか遠くの世界へと送り出した。
「すまない…」
異世界から来た赤子が成長し学校生活を送りながら世界を救う話 へいほー @haxe000
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