幽礼の140文字(+α)小説
幽礼
自販機
この町には、あの世と繋がっている自販機があるらしい。そんな噂あるわけない、そう思った僕は160円もする普通のお茶を買ってみることにした。
この自販機、他の自販機と何ら変わりはないが……
ボタンを押す。すると普通にお茶が出てきた。なんだ、普通の自販機じゃないか、そう思った瞬間だった。「健太?健太かい?」
「え……?お婆ちゃん???」
その声がしたのはほんの一瞬だけだった。でも僕は、確かにその声を聴いた。
たまには噂を信じてみるのもいいかもね。
その後話を聞くと、200円くらいの商品を買えばもっと話が出来るらしい。でも今はお金無いし、またいつか、逢えたらいいな。
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