死滅する霊肉としりまだ生きる謎めくものあり人間といふ

死滅する霊肉としりまだ生きる謎めくものあり人間といふ


【語釈】

いつか死ぬのに、なんでおれたちは生きているんだろう。いかにも二十代らしい、実存の恐怖を詠んでいる。といえども、この感覚は、一生涯もっていなければならないものではないだろうか。「死を解する人はほんの僅かである。人はふつう覚悟をきめてではなく、愚鈍と慣れで死に耐える。そして大部分の人間は死なざるを得ないから死ぬのである」はラ・ロシュフコー『しんげんしゆう』23である。

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