万斛の和歌が生まれし幾億の悲劇がそこに終幕となり

ばんこくの和歌が生まれし幾億の悲劇がそこに終幕となり


【語釈】

ばんこくは非常におおいこと。たくさんの和歌が生まれた、同時に、で幾億の悲劇がおわりをむかえた。ほんぺん内にも類句類想があるが、悲劇ゆゑに和歌が生まれるという作品にたいして、ちらでは和歌ゆゑに悲劇が終わると詠んでいる。かなしみをげいじゆつ活動で治癒するという、心理学でいう昇華かもしれないが、さらに一歩ふみこんで詠んでいるようにおもわれる。もっと上手な歌人ならば、ふたつの意味を一首にまとめられるかもしれない。

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