『巨億』歌集

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

狭隘の三十一字の和歌にさへ宇宙はあるべし我がこゝろ棲む

きようあいひとの和歌にさへ宇宙はあるべし我がこゝろ


【語釈】

きようあいはせまくすぼんでいること。いわずもがなかもしれないが、ひとは、五七五七七の総計で、短歌を意味する。ゆゑに、「ひとの和歌」は同語反復かもしれないし、「和歌のうちでもひと=短歌」と解釈していただけるかもしれない。五七五七七に宇宙があって愚生のこころがむというイメージはおおかもしれないが、短歌を詠むかたにはすくなからず理解されるのではないか。

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