森が歩く
森が歩く、という表現は果たして適切だろうか。元々彼らは土に足を突っ込んで、雨風に耐えながら、じっと遠くを見据えていた。彼らだっていつの日か太陽が嫌になるかもしれない。その時、彼らは理解する。すると、潜っていた根は地面を割り、抵抗されながらも、その姿を我々の前に見せる筈だ。
それについて論議する、数人の人間がいた。
「ありえない。森には足など存在しないし、動く事は出来ない」と一人の男が言った。
「それは森の考えじゃないぞ」ともう一人が言った。
「あなたが言っている事も森への侮辱よ」と一人の女が言った。
「いや、侮辱ではない。尊敬である」
彼らは論議を重ね、森は裸足で逃げ出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます