世界観

【 アーストリア世界 】:


 神界、冥界、星界、幻精界、そして現生界という五つの次元の総称である。

 無の揺らぎから生まれた魔力マナと呼ばれるエネルギーが満ちることで、様々な存在が形成された。生命の源も、根源は魔力であるとされている。



【 トリストラーニャ大陸 】:


 現生界の中でも比較的大きな大陸のひとつ。

 現在十五の王国や共和国が存在する。この大陸の北にも隣接するように大きな大陸があったが、グローヴァー魔法王国が滅びた二千年前に、時を同じくして消失しているという不可解な地殻変動があった。そのせいか、この大陸には不可思議な地域エリアが数多く存在している。



【 グローヴァー魔法王国 】:


 約五千年前から二千年前まで現生界に栄えていた、魔導の統べる古代の魔法王国。

 その中心になっていたのは、人間族、飛翔族、竜人族、魔人族、エルフ族という五つの種族であり、それぞれの種族の代表が王となって全世界で共同統治を行っていた。全体を『評議会』が監視している。

 現在では考えられないほどの高度な文明を持ち、都市は大規模で摩天楼がいくつもそびえていたという。

 使用されていたと思われる言語は魔法語ルーンと呼ばれ、現在も少々形を変えてはいるが現在にも伝えられており、魔術師たちが魔法を行使する際に使っている(事実と詳細については第四部で語られる)。

 高度な魔法や文献には主に『真言語トゥルーワーズ』が使用されていた。この言語は、一字一句が魔法陣のように力あるものだったので、日常的には使われていない。


※魔法王国の構成について

 飛翔族については老院が存在せず、他の種族には王のもとに老院がある。

 それぞれの種族・都の名・大陸名については以下の通り(歴史の宝珠編での王たちの名)。

 人間族・ミドガルズオルム・ミッドファルース大陸、(死去したばかりで不在)

 飛翔族・タラティオヌ・ミッドファルース大陸、(ディアン)

 竜人族・メロニア・トリストラーニャ大陸、(ダルバトリエ)

 魔人族・ガルバーニャ・ミンバス大陸、(行方不明)

 エルフ族・トレントリア・トリストラーニャ大陸、(フェリア)



【 各地に残る遺跡や遺産 】:


 前述のグローヴァー魔法王国の跡は、北の大陸の消失とともにほとんどが失われたが、それでも全世界のあちこちに数多く残っている。

 都市遺跡は、冒険者たちの生きる糧として探索されている。

 ただ、魔法は今も失われずに活動し続けているものが多く、守護している魔法生物に侵入者として排除されたり、防御システムの罠に引っかかって命を落とす危険も少なくない。

 そのグローヴァー魔法王国が遺した遺産の中でも強大な魔法の力を宿したものが、世界には五つ存在している。

 それらは『五宝物』と呼ばれ、現在も追い求める冒険者たちが後を絶たない。



【 ソサリア王国 】:


 トリストラーニャ大陸の中央から北部にかけて領土を有する、比較的大きな王国。人間族の王が治めている。

 同じく人間族の統治する東側の隣国ラシエト聖王国とは、先王の時代には戦争と緊張状態が続いていた。しかし、現在は外交の甲斐があって友好条約が結ばれており、平和で穏やかな時代を迎えている。

 温暖な気候と、緑豊かな国土に恵まれた豊かな国であり、ふたつの巨大森林地帯が存在する。

 王都であるミストーナは、古代グローヴァー魔法王国の主要都市があった場所に造られていた。

 そのミストーナにあるソサリア王宮は、千年前に造られてよりずっと変わらず在り続けているため、『千年王宮』とも呼ばれる。

 現国王の名はファーダルス・トゥル・ソサリア。彼と亡き王妃ソフィアのふたりの息子――双子の王子の名は、兄をクルーガー、弟をテロンという。 



【 宗教 】:


 神界に存在するものは多数あり、そこには独自の世界が広がっているとされている。その中でも他の世界に影響を及ぼすことのできる存在には名がついており、現生界では光の神々として五神が広く信仰されている。主神であるラートゥルが司るのは正義と法であるが、反する正義を掲げるとき闇の神々の主神であるダルフォースの力を求める者もいる。

 神界ではこのふたつの主神が勢力を争い続けている。


(光の神々)

主神 ラートゥル

癒しの神 ファシエル

戦の女神 ミネルヴァ

導きの神 アルート

幸運の神 リマッカ


(闇の神々)

主神 ダルフォース

破壊の神 ゴムデルア

混沌の神 ケイオス

無の女神 ハーデロス

名無き神


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