失ったページを集める。
目的は非常にシンプル。しかしその背景にはいろいろあって――本当にいろいろあって、ページをめくるごとに世界が広がっていく物語です。
謎があちこちに散りばめられていて、1つ新しいことが分かるたびに
「ああ、そういうことだったのか」
と感心する。
すると
「あれ、読んだはずなのに何でスルーしちゃったんだろう?」
と首を傾げる。
文章が流暢で構成が巧みです。
キャラについて言うと、ヒロイン詩凪ちゃんは、ベースは「守られるお嬢様系ヒロイン」ですが、頑固な「職人気質」を持ち合わせる、弱いようで強い女の子。
何しろ魔書のスペシャリストですから。カッコいいです。
サイドには頼りがいのある幼馴染・柾さんと親しみやすい少年・凌時くんが控えているのですが、読んだ人はどちらがお好みなんだろう?
ちなみに私は凌時くんに1票。
いま完結まで読んで、謎が解けた訳ですが――それを踏まえてもう一度最初から読んだら、きっと新しい姿が浮かび上がる。
……という訳で、またもう一度読み返してみようと思います。
素敵な物語、ありがとうございました。