第11話 よろしくま・ぺこりさんとカクヨム
事の始まりは身内が処方された薬をひさこがネットで検索したことだった。大体は製薬会社などの薬の処方の記事であったが、ブログのようなものにヒットした。それがカクヨムサイトに投稿されたよろしくま・ぺこりさんの「狂気の夏~僕の躁鬱病体験記・苦しさが伝わらない~」というエッセイだった。検索した薬がぺこりさんの服用していらっしゃる薬の一つだったからだ。
ひさこは世間に疎いから「カクヨム」を知らなかった。だから最初は誰かのブログだと思っていた。検索で引っかかった章を読んで引き込まれて次の章から次の章へと読んでいった。双極性の人は遠い親戚にいて、その人が躁状態の時に何度か電話がかかってきてしゃべったことはあった。だけど実際に当事者の心の声は聞いたことがなかったからただただびっくりした。内容にはびっくりしたけど、テンポがよくて引き込まれて、こんな作品を一般の人が書いてるという事実に驚いた。結局最初から最後まであっという間に読み切った。次にぺこりさんのほかの作品も読み始めた。最初に読んだのが上述のエッセイだったので、その流れでもっぱらエッセイばかりを読んだ。すべて読み切って小説に読み進んだら小説はもっと面白かった。
ぺこりさんはユーモア作家なので、くすっと笑える作品が多い。テンポがよくて、なにより常に前向きで明るい。エッセイではお怒りをあらわにされることも多々あるが、それが全然嫌味でない。お人柄なのか。
いくつか読んでいるうちに、あぁ、こんなアプリがあるのねとカクヨムアプリに気が付いた。インストールして適当にペンネームを決めてユーザー登録した。もともと本を読むのは好きだから(と言っても読むのは紙の本だが)面白いアプリを見つけたと思った。しかし、カクヨムはライトノベルが主でぺこりさんのような作品は少数派であった。しかも、ああ面白いかもと思っても更新がなかなかされなかったり、逆に身につまされてしまって読むのが辛くなってやめてしまったりと、実はぺこりさんのような作家はひさこにとっては貴重な存在だった事に気がついた。
お気に入りの作品をあげてみると、最近では「悪の権化」、すこし前だと「女優」「ゆうもあ先生」「和尚さんシリーズ」「ひな鳥 舞う」あたりがふと思いつく。短編もエスプリが効いて面白いのが多い。
よろしくま・ぺこりさんの作品、ひさこのお勧めです。
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