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私は自分のベッドの上だ。
昨日……三上とウォーキングの練習をして。
三上が『キスでも酔うか試してみる?』なんて……。
わ、わ、私、昨日三上と……?
何度もキスをして……
まさか、酔っぱらった!?
部屋を出ると、三上はいつものようにフルーツを食べている。今日は林檎だ。しかも皮ごと丸かじり。
セクシーな口元に、思わず目が向く。
「おはよう類」
三上は普通だ。
まるで動じない。
「お、おはようございます」
「頭いてえ。昨日飲み過ぎた。二日酔いだよ。波瑠は相変わらず強いな。昨日あれからまた飲んだんだろう? 二日酔いしないのか?」
香坂は二日酔いの薬を飲み干す。三上はそんな香坂にニッコリと微笑んだ。
「俺は二日酔いしないよ。でも飲み過ぎると、記憶を無くすから。昨夜のこと全然覚えてないんだ。俺、一人で飲んでた?」
私のこと、覚えてないの?
ウォーキングの練習も?
あの……濃厚なキスも!?
「波瑠は類と飲んでたよ。ほら、酔い潰れた類を部屋に運んでただろ」
「俺が類を? そうなの? 類?」
「類は酒が弱いくせに、毎日飲むなよな。後始末する方の身にもなれ」
後始末って……。
まるで生ゴミみたいに。
昨夜のキスを、忘れるなんて……。
かなりショック。
「類、林檎食べる?」
「いえ……」
囓りかけの林檎。
私に差し出すなんて……狡い。
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