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 どんだけエロいの。


 よほどの巨乳好きだ。

 女の価値は胸の大きさじゃない。


 朝から散々バカにされ、私は不愉快だ。


 キッチンを片付け、シンクを洗う。一階の脱衣所や浴室、トイレの清掃も念入りにした。


 二階には初めて上がる。

 二階の脱衣や浴室は一階ほど汚れてはいない。ゴミ屋敷の犯人は一階に生息している。だから二階は綺麗なんだ。


 二階の浴室を洗っていると、長い髪の毛を発見した。


 右手で摘まむとストレートの髪の毛。しかも金髪!? もちろんbeautiful magicに女性はいないし、金髪の人なんていない。


 二階の住人の誰かが、女性を連れ込み、浴室を使用しなければいけないような行為を行った!?


 ここはシェアハウスだよ!?

 しかも住人は全てスタッフ。


 そんなことをしたら、鳴海店長が黙っていないよ。


 と、いうことは……。


 鳴海店長に怒鳴られずにすむ人物?


 ま、まさか……。

 あの堅物の鳴海店長が、女性を引っ張り込んだ!?


 イメージ狂っちゃうな。

 絶対にあり得ない。


 でも三上は癒し系だし。シェアハウスに女性を引っ張り込むようなデリカシーにかける人じゃない。


 諸星は乙女系だし。女なんて……。


 あっ……!


 諸星は、私の部屋に泊まったんだ。しかも私と……したかもしれない。


 乙女系キャラで女性を安心させ、簡単に食べちゃう人種かも。


 私……。

 簡単に食べられちゃう人種。


『感度良好』香坂の言葉を思い出し、ぶるぶる首を振る。正直そういう行為は苦手。恭介との行為も恥ずかしくて冷凍マグロ状態だった。


 女として、外見も中身も欠陥品かも。

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