HUNTER OF VAMPIRE

佐々木悠

第1話

ヴァンパイア。ノスフェラトゥ、No life king

アンデットにMonster。妖怪に怪異にUMA。

性質に呼び方、本質さえ様々だが共通するのは有史以来いや有史以前から人類の敵であるという事実のみ。現代の世界においてそれは表沙汰にはならないが各国、各機関にその様な存在を保有している。その世界に置いて特に日本とイタリア及びヴァチカンそして大英帝国は強大な力を有する。

その点世界一の先進国アメリカはこの世界において後進国とも言える。

その内俺は英国に雇われた対吸血鬼専門のハンター、ラインハルト・ティルボードだ。

英国政府直属の円卓騎士団臨時団員の位階が与えられ、銃器と刀剣の所持が許可されている。俺達雇われの主力装備は大型の自動拳銃が基本だ。英国の円卓騎士団なら25mm機関砲をアサルトライフルに加工した物と方儀式済みの聖銀長剣がメインだが、金が無い雇われは10mmロングバレル大型拳銃を使う事が多い。幸い、プロで金も稼げる俺は15mmの自動拳銃に方儀式済みの聖銀ショートソードに25mmアサルトライフル、ガノンが装備として持っている。


「ディム・セレスティア・クラウス団長殿。」


「おや、ティルボード卿ではありませんか。何用です?」


「報告書を上げに来た。内容は3級4体、2級1。」


「ありがとうございます。おや、また2級ですか。少々多いですね。」


「他にも2級が?」


「はい。従騎士エクスワイヤの二個小隊が消し飛びました。幸い近隣に居た、退役していた、サー・ランドルフ・アレクセイが刺し違えてくれましたが。」


「それは気の毒だ。ランドルフ卿には幼い娘が居ただろう?」


「そうでした。その娘、ヴィクトリア・アレクセイが志願してきたのですよ。」


確か年は今、


「14歳のヴィクトリアが?」


「ええ。教育係を任せても?報酬は上げます。基礎の基礎、常識レベルからの教育を。」


面倒事を。だが、後身の教育は我らの宿命。絶対数が少ないからな、絶やしてはならん。


「程度は?」


神聖術ホーリープレイは使える様にはしてあります。ああ、そうでした。私も臨席させていただきますので、悪しからず。」


「暇なのか?」


「いえいえ、リアは陛下のお気に入りでして。年頃の娘が男性と二人きりでは問題があると仰ていますので。」


「やれやれ、そこまで言うのならば、俺にやらせなければ良いのに。」


「魔物狩り嫌いの女王陛下が、我々以外で唯一認められたのが貴方ですから。」


「まぁ、評価は有難い。王室御用達って言うのは使えるのでな。受け入れよう。何時からだ?」


「そうですね。可能であれば、今すぐにでも。」


「OKそれで良い。行くぞ。」


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「初めまして、お嬢さん。俺はラインハルト・ティルボードだ。」


「貴方がサー・ラインハルト・ティルボードなの?」


幼い。極東の日本人とのハーフである彼女は14歳には見えない。


「ああ、その通りだ。今日は座学じゃなくて交流から始めようか。質問は?」


「貴方の使う武器について聞いてみたい。」


「良いだろう。ショートソードは普通の物だ。拳銃は15mmの方儀式済み水銀弾頭の銃弾を使う15連装式の大型ロングバレル自動拳銃だ。重量は12kg。25mmの奴は重量20kg、のマガジンは30連装。銃弾は十字架を溶かして作った方儀式済み聖銀弾頭搭載爆裂か通常徹甲弾。アンデット共にはそれこそ戦車砲程の火力を持つ。」


幼いというより最近の若者といった感じだろうか。気だるげというか興味が無いと言うか。


「ふーん。そんなの使って動けるの?」


「ハルトならこの装備で壁を走ったり屋根の上を飛び跳ねたり、高機動戦闘を行えますよ。」


「まぁ、多少は身体強化を噛ましてるが、ほぼ自力だ。」


「団長閣下、ラングハート卿が、こちらにお越しです。」


「エリザが?」


「通して構いません。」


数分後、失礼しますとエリザベト・ラングハートが入ってくる。既にヴィクトリアは俺に対して興味を失い、書籍を読んでいる。

エリザは俺と同業者で彼女はB級以上の討伐を条件に雇われている。何でも屋。予備戦力筆頭の俺とは違う。


「あなたは主力にて我々の鬼札ですよ。」


曖昧に笑い流す。


「って、何故貴方がここに居るのよ!」


「俺は騎士団の雑用係。それに後身の教育は我らの宿命だろう。」


「貴方が?世界一のハンターの貴方が?」


「褒めてくれるな。調子に乗るぞ。」


「話がそれています。後、私のハルトに馴れ馴れしい。」


……こいつこんな奴だったっけ?目でエルザに問い掛けるが、首を横に振られた。


「んで、エルザ何用なんだ?」


「そうよ。ロンドン郊外の村の屋敷で屍鬼グールが大量発生よ。私の指揮下の三個小隊では対応しきれない。応援を要請しに来たの。」


正に僥倖か。


「俺が出る。ヴィクトリア、君もついてこい。」


「私も同行します。」


俺の予備武器の中から50口径のリボルバーをヴィクトリアに渡す。戦闘は空気を味わうだけでも意味がある。

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