第3話 異世界事情
お金にはそれぞれ価値がある。
1ドルが日本円と比べるとだいたい100円から110円くらいになるように、この世界での金は日本円にすればどのくらいの価値になるのか、もしこの世界の経済の状況が悪く、経済のインフレとゆう災害が起こってくれれば、この5000万とゆう数字も楽に集められるかもしれない。
「ちなみにその、なんだ、5000万あれば具体的に何ができる」
だから 今のこの質問は今後生きるうえで大切なことなんだ。
「えっと、具体的にはそこそこ良い家が建てれます。場所にもよりますけど」
家が建てれる。
家にはその土地代、建設資材、建てれるとゆうことは人件費もかかってくる。
それを込みで考えると、そこそこ日本と変わらないと変わらないかもしれない、それってもはやハードモードじゃん、イージー設定にしてくれないにしてもせめて、ノーマルモードくらいにしてくれよ。
「じゃあもっと細かくパンを2人分買ったらどれくらいかかる?」
そう、これくらいなら見えてくらいなら見える、この世界の金を!最初からこうすればよかった。
「変なこと聞きますね、普通最初はこのギルドならいくら稼げるとか、今どんな依頼がきてるとか、どこのダンジョンがおいしいとか、聞くもんですよ、あなたみたいな人は初めてです。どこの田舎からやってきたんですか? もしかして移民か何かなんですか」
ある意味、そうなんだけど出来れば、そこには触れないでほしい。
「あぁ、まあ移民と行ったらそんな感じ、ほら最近物騒じゃん結構いろんなところで戦争が起きたり、魔物騒ぎとかで、安全そうな街にやってきたんだけど、初めて目にする物がいっぱいで、正直今、混乱してるんだよね」
俺はキョドリながらも最初に言われた、この国の状況を思い出し、必至でそれっぽい言い訳を考え、その場ではっする。
すいません、ほんともうアドリブとかきついです。
なんで他の異世界転移者たちはすらっと流暢に、いろんなことその場で言えるんですかね? 訳が分からないよ。
「そうなんですか、たしかに今は国同士の領土や資源やらの問題で国同士が揉めていますし、ここ最近で魔物が凶暴化して人を襲うなんてことがしょっちゅう起きてますからね」
マジかよ、かなり危ない世界に来ちゃったよ。
こんなところで生きていける気がなくなってきた。
「そうなんだよ、ほんと恐くて恐くて命がいくつあっても前のところじゃ無くなってしまうような状態になってさぁ、命からがらここまで走ってきて、そりゃもう大変だった」
適当に話をでっちあげて誤魔化す、これで大事な場面で墓穴を掘るようなことになるかもしれないけど今は、この子の安全を守ることが第一で動いているのでそこで出た矛盾はあとで適当にごまかそう。
「具体的にはどの辺から来たんですか」
来ちゃったよ異世界恒例のえぇ凄いと言われるタイミングが、しくじるな俺!ここはテンプレ通りに……
「遠い海の方から」
「海の上は走れないですよね」
あまりにも適切に嘘を見抜かれた、自分の安易な言葉によって。
「あぁ、あれだよ、ほら、あれ、魔法だよ」
ヤバイ魔法なんて使えるどうかわかんないのに大ホラついちゃってるよ。
「魔法を使うなら普通空を飛ぶものですよ、そんな水面を走るなんて魔法見たことも、聞いたこともないです。もしかして適当なこと言ってます」
ヤバイ、もうほとんどドジってる。
これも、それも、全部ほとんど説明せずにこの世界に送って来たあのクソ女アマのせいだ。
せっかくの俺の異世界セカンドライフが俺TUEEとかしてぇよ。
「とりあえず、そこはおいとこう。で、具体的にはパン2人分はいくらぐらいになるんだ」
「いや、おいとくって結構大事な話じゃないですか、そらさないでくださいよ。まぁ簡単な質問は借金を一緒に返してくれると言うのですし、答えますがそこらへん大事なことなんですよ。おいそれと簡単にどこの誰かも分からない人をギルドにいれるわけにもいきませんし」
かなりこの世界は辛辣なようだ。
「でも俺いなくなったら一緒に返してくれるやつなんて他にいるの?」
そして、俺も辛辣なようだ。
正直自分で追い込んでかってに墓穴を掘ったのにこの言い草をするのはかなり性格の悪いことだとゆうことは自覚はあった。
「いない事はないですねど、あまりに頼りにはなりません」
おそらく、あまり冒険には向いていない人がメンバーなんだろう。
困ったような表情をしてることからかってに想像していた。
「で、いくらくらいになるんだ」
「だいたい2人分だと200レールくらいです」
レールおそらくこの国で使われてる金のことだろう。
「200で2人分ってことは1人100ってことね、ありがとうこれでなんとかイケるように頑張るよ」
しかし、頑張ると言ってもアテがない、ここから何をして5000万なんて大金をわずか1ヶ月で用意するか…………骨が折れそうになる。
「そういや、ここ売るってどうなんだ」
そう言って天井を指差し、彼女をまじまじと見つめてた。
「なんて、こと言うですか、そんなこと考えられません。頼りにしてるんですからもっとマシなこと言ってくださいよ」
少し怒り気味で言われた、きっと大切なところなんだろう。
その言葉にはどこか信念のようなものが感じられた。
「すまん、すまん、そういや俺君の名前をまだ聞いていない、なんて呼べばいい?」
「すまんで済む話じゃないですよ、とゆうか人に名前を聞くならまず自分が名乗るのが筋なんじゃないんですかね」
その筋ここにもあるのか、中途半端に前と同じだなここ。
「俺は藤田馨きやすくカオルって呼んでくれよ」
「私はフユ、カオルってなんか変な名前ですね、ほんとに、どこから来たんですか?」
「もうそこには触れないで下さい」
国籍不明のやつとは一緒にはいたくないだろうがこれ以上墓穴は掘りたくないのでスルーしてもらいたい。
「わかりましたよ。このさいそれは聞かないでおきます。これからよろしくお願いしますカオルさん」
「こちらこそこれからよろしく、フユ。あとカオルさんってなんだか他人行儀見たく聞こえるから普通に呼び捨てでカオルでいいよ」
ここまできてなんだか打ち解けあえた気がした。
さっきまで不安だった異世界召喚も今はいい物になると希望を持てるかもしれない。
「そういや、ここで商売して5000万までいこうと思うんだけど問屋ってどこにある」
「問屋?問屋ってなんです?何を売っているところなんですか」
前言撤回ホントにこのままじゃ始められない。
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