構成員の日常
ろくろ
第1話 夢中
「暗い」「冷たい」そんな感覚が私を襲う。
体が上手く動かせない、苦しい。まるで水の中にいる様だ。
だが何故だろう、酷い状況にも関わらず僅かな心地良さを感じる。
そこでとある考えが俺の頭を過る。
-此れは夢だ-
其れが分かってしまえば後は簡単だ「何時も」と同じふうにすれば良いのだ。
先ずは此処が何処なのか知る必要がある。
俺は動かせる範囲で体を動かし辺りを注視する。
見たところ周りには何も無いが手の届く位置に微かな明かりがあることが分かる。
手を伸ばし掴むと其れは「チリン」と云う澄んだ音色を響かせた。と、同時に辺りが途端に美しく色付いていった。
暈けていた視界が次第にハッキリとしてくる。
「ーーッ!」
突如大きな耳鳴りがしてあまりの雑音に俺は気を失う。
次に目を覚したときには見慣れた天井が広がっていた。
夢の中で俺が最後に見たものは、
『とても美しく咲いたオダマキの花だった』
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