承諾

林 風

第1話

承諾



一瞬、声が裏返った。しまった!そう思ったが、今更取り返しもつかない。取り返しのつけようがない。急いでお茶を飲み込もうとした。「あちっ」そのお茶は熱すぎて、まるで沸騰したてのお茶ではないか、実際にはそんなはずなかったが、武にはそう思えて仕方なかった。

「ごめんなさい。お茶、熱すぎましたか?」

彩子(さいこ)の母親は申し訳なさそうに謝った。

「いえ、そんな。おかまいなく」

やけどを我慢しながらも、そう返した。テレビがついていた。「空振りー、三振!バッター、アウト!」中継者はそう叫んだ。

しばらくして、

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