断片
姐御
幸福の記述
一閃。私の中身を確認するには十分過ぎる一太刀。
地面にはたちまち彼岸花が咲き誇る。
———何てこと。自分の中身は家畜とそう大して変わらなかった。私はその事実が、たまらなく嬉しかった。今日はなんて素晴らしい日なのだろう。心から幸福感が溢零れ落ちて、泣いてしまいそうなくらいだ。
あぁ、彼岸花が手折られてしまった。仏様のお花なのだから、手折られてはいけないのに。
笑顔は崩さず、軽やかなワルツを。観客は私の愛しい友人達。
あなたは椿の花が似合うのね。けれど、演者は私だけで十分。別れは告げず、焼き付けるの。
パラパラと拍手の音が聞こえる。
私は幸せ者だ。
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