花七宝の影法師~天下ノ執事の弟、南北朝の世で奮闘す~

夕月 日暮

登場人物一覧

・本ページは適宜更新されます。

・本ページは登場する予定の人物についても記載しています。

・本ページは物語全体を通しての人物情報を載せているため、一部ネタバレを含みます。


【高一族】

高重茂こうのしげもち<弥五郎>

主人公。高師重の五男。

兄・師直と共に、足利氏の家政機関の中心たる高一族の後継者候補として育てられたため、役人として優れた手腕を発揮する。


高師直こうのもろなお<五郎>

重茂の兄。高師重の四男。

長兄・次兄の死後、高一族の惣領となるべく育てられ、足利氏の執事として辣腕を振るう。


高師泰こうのもろやす<四郎>

重茂の兄。高師重の三男。

長兄・次兄が存命の頃は父から気にかけられず、執事としての教育を十分に受けずに育った。

自由奔放かつ掴みどころのない性格の持ち主で、武においては兄弟随一の実力を誇る。


高師久こうのもろひさ<弥四郎>

重茂の弟。高師重の六男。

戦乱の中で頭角を現し始めた高一族期待の若者。将として天性の才覚を持っているのか、戦で度々功績を上げる。


高師重こうのもろしげ

重茂らの父。かつて足利氏の執事を務めていた。

己の職務と足利氏を第一とする忠臣。


大高だいこう重成しげなり<次郎>

重茂らの又従兄弟。

凄まじい大力の持ち主で、和歌にも精通しているという文武両道な男。


みなみ宗継むねつぐ

重茂らの又従兄弟。

若年の頃から才覚を発揮し、周囲の期待を一身に受けて育った。


高師秋こうのもろあき<太郎左衛門尉>

重茂らの従兄弟。師冬の兄。

重茂・師久とは一時期共に過ごしており、気心の知れた間柄。


高師冬こうのもろふゆ<四郎左衛門尉>

重茂らの従兄弟。師秋の弟。

重茂・師久とは一時期共に過ごしており、気心の知れた間柄。


●高重教

重茂の養子。実父は南宗継。

頭の回転が速く口も良く回るが、やや逃げ癖がある。


●高師景

未登場


青葉丸あおばまる(後の高師夏もろなつ

師直と菖蒲の子。


●高師詮

未登場


高師世こうのもろよ

師泰の子。

高一族としての教養を叩きこまれているが、普段はあえて砕けた態度を取る。


●高師武

未登場


●明阿

未登場


●高師秀

未登場


治兵衛じへえ

高氏に古くから仕えている古参の郎党。声がでかい。

重茂にとっては事実上の父親のような存在。


あおい

重茂の妻。南宗継の姉。

武芸の腕前は並の男を凌駕する。


椿つばき

師久の妻。


菖蒲あやめ

師直の妻。




足利あしかが一門】

●足利尊氏たかうじ

高一族が仕える足利氏の惣領。

嫡男であった兄・高義と父・貞氏の死後、後醍醐天皇に従って鎌倉幕府を打倒し、多大な恩賞を得る。


●足利直義ただよし

尊氏の同母弟。

鎌倉幕府打倒後に鎌倉の地を後醍醐から任されるも、鎌倉幕府の残党・北条時行に敗北。

救援に駆け付けた尊氏の身を案じるあまり、尊氏と後醍醐の行き違いを起こさせてしまい、二人の決裂を招くことになる。


新熊野いまくまの(後の足利直冬)

足利尊氏の子。鎌倉の東勝寺で僧となるべく育つ。


●足利千寿王せんじゅおう(後の義詮よしあきら

足利尊氏と赤橋登子の間に生まれた子。


●足利基氏

未登場


●仁木頼章

未登場


仁木にっき義長よしなが

足利氏の支流・仁木氏の武将。頼章の弟。


●足利(斯波しば高経たかつね

足利氏の支流・尾張足利氏(後の斯波氏)の惣領。

足利宗家に匹敵する家格を誇りに思っている。


●足利(斯波)家兼<彦三郎>

高経の弟。事を為すには全力をもってあたるべし、という信条を持つ。

高経ほど家格に誇りを持っているわけではない。非常に頑固な一面がある。


●足利(斯波 又は 志和)家長いえなが

高経の子。千寿王の補佐として、事実上東国を取り仕切る重責を負う。

足利一門のなかでも屈指の家格の身だが、周囲に対して礼を欠かさぬ好青年。


●斯波氏頼

未登場


●斯波義将

未登場


畠山はたけやま国清くにきよ

足利氏の支流となった畠山氏の武将。


●畠山直顕ただあき

国清の遠戚。日向国平定の任を負う。

小心者だが、人の期待に応えようという気概の持ち主でもある。


●畠山直宗ただむね

直顕の甥。直顕の補佐役として共に日向国に向かう。


●足利(吉良きら満義みつよし

足利氏の支流・三河足利氏の武将。吉良殿と呼ばれる。

三河足利氏は尾張足利氏同様、足利宗家に匹敵する家格。


●吉良満貞

未登場


●今川了俊

未登場


一色いっしき道猷どうゆう

足利氏の支流・一色氏の武将。若くして出家しており、道猷は号。

多くを望まず静かな生活を送ることを願っているが、九州探題に任命され、同地で過酷な戦いに身を投じることになる。


●石塔義房

未登場


●石塔頼房

未登場


桃井もものい義盛よしもり

足利氏の支流・桃井氏の武将。


●桃井直常ただつね

足利氏の支流・桃井氏の武将。直信の兄。

坂東武者らしくあろうと、日々鍛錬を欠かさぬ武人肌の男。


●桃井直信

未登場


細川ほそかわ顕氏あきうじ

未登場


●細川定禅じょうぜん

顕氏の弟。建武の乱において、中国・四国地方で活躍し頭角を現す。

思い切りの良い性格で、臆することなく大胆な行動を取る。


●細川和氏かずうじ道倫どうりん

顕氏・定禅の従兄弟。頼春の兄。

建武の乱の後に出家して道倫と号す。


●細川頼春

未登場


●細川弥八やはち(後の清氏きようじ

和氏の子。勇猛果敢な気性の持ち主。


●細川弥九郎やくろう(後の頼之よりゆき

頼春の子。落ち着きがあり広い視野を持つ。




上杉うえすぎ一族】

●上杉清子

尊氏・直義の母。上杉一族を束ねる女傑。


●上杉憲顕のりあき<平一郎>

上杉憲房の嫡男。清子の甥にあたるため、尊氏・直義とは従兄弟関係になる。

真面目な性格ではあるが、融通が利かないということはなく、周囲をよく見て適宜助言を与えることが多い。


●上杉重能しげよし<与次郎>

上杉憲房の甥にして養子。憲顕とは義兄弟、尊氏・直義とは従兄弟関係になる。

自尊心が高く皮肉屋だが、相手を問わず認めるべきところは認める一面を持つ。


●上杉憲藤のりふじ

上杉憲房の子。憲顕の子。

快活で明るいムードメーカー。


●上杉朝定

未登場


●上杉憲将

未登場


●上杉重季

重能の実子。融通の利かない頑固者。


●上杉顕能

重能の養子。礼儀正しいがやや控えめな若者。


●上杉能憲

未登場


●上杉朝房

未登場


●上杉朝宗

未登場




【皇族・公家】

後醍醐ごだいご天皇

大覚寺統の天皇。

本来は兄の子が皇位を継承するまでの中継ぎだったが、それに不服を唱え、皇位継承に干渉する鎌倉幕府との戦いに踏み切る。


義良のりよし親王(後の後村上天皇)

後醍醐天皇の皇子。北畠顕家と共に奥州統治の要となる。


尊澄そんちょう法親王ほうしんのう宗良むねよし親王)

後醍醐の皇子。比叡山延暦寺(山門)のトップである天台座主。

争いを好まず歌を愛する穏やかな性格だが、避けられぬ戦いであれば最後まで戦い抜こうという意志を持つ。


●興良親王

未登場


●光厳院

鎌倉幕府によって持明院統の天皇となるが、後に後醍醐によって廃位された。

足利と組むことで復権を狙う。皇統の統一を己が使命と考えている。


●崇光天皇

未登場


●後光厳天皇

未登場


●邦省親王

後醍醐天皇の兄・二条天皇の皇子。

自身こそ大覚寺統の嫡流と考えており、その復権を狙っている。


北畠きたばたけ親房ちかふさ

後醍醐方の重鎮の一人。


●北畠顕家あきいえ

親房の子。奥州の支配を任された鎮守府大将軍。


四条しじょう隆資たかすけ

後醍醐方の重鎮の一人。


●四条隆蔭たかかげ

光厳院の側近の一人。憲顕・重能の従兄弟である重藤の主。


勧修寺かじゅうじ経顕つねあき

光厳院の側近の一人。妻は光厳の皇子の乳母。


日野ひの資明すけあき

光厳院の側近の一人。

足利と光厳を繋いだ功労者の一人で、三宝院賢俊の実兄。


正親町おおぎまち公陰きんかげ

光厳院の側近の一人。光厳が推す京極流という和歌の流派の歌人。


●洞院公賢

未登場


●洞院実世

未登場


●洞院実夏

未登場


阿野あの廉子かどこ

後醍醐の妃。後村上(義良)の実母。

後醍醐の妃に仕える身として宮仕えをするが、その才覚を後醍醐に見出されて自身も妃となった。その能力をもって斜陽の吉野を支える。


●二条師忠

未登場


二条にじょう良基よしもと

公家の頂点に立つ五摂家の一角・二条家の当主。


●二条師基

未登場


千種ちぐさ忠顕ただあき道三どうさん

村上源氏の一流・六条氏の流れを汲む公家。


坊門ぼうもん清忠きよただ

後醍醐の側近の一人。


堀川ほりかわ具親ともちか

村上源氏堀川家の当主。

すべての源氏の中でもっとも高位にあたる『源氏長者』でもある。


西園寺さいおんじ公重きんしげ

かつて鎌倉幕府との強い結びつきから五摂家以上の勢威を誇った西園寺家の当主。

実兄・公宗の後醍醐暗殺計画を密告したことで、西園寺家当主の座を得た。

後に政局の変転によって、公宗の遺児と当主の座を巡って争うことになる。



【寺社】

●夢窓疎石

当代随一の禅僧。


妙吉みょうきつ

時折重茂と鉢合わせする奇妙な僧。

僧として名をあげるため見識を深めようと、各地を渡り歩いている。


●玄恵

未登場


三宝院さんぽういん賢俊けんしゅん

日野家出身の醍醐寺の僧。日野資明の実弟。

足利と持明院統を結び付ける等、京の政界で重要な働きをする。


善法寺ぜんぽうじ通清つうせい

石清水八幡宮寺の祠官。


●善法寺昇清

未登場


●善法寺良子

未登場


●(仁木)頼仲らいちゅう

仁木頼章・義長の叔父。東国仏教の代表格である鶴岡八幡宮寺のトップ。


●(加子)弘賢

足利氏の支族である加子氏出身の僧。頼仲の弟子。


古先こせん印元いんげん

かつて大陸(元)に渡って修行した経歴を持つ禅僧。

頼まれると嫌と言えないお人好し。




【武家】

北条ほうじょう時行ときゆき

鎌倉幕府の代表・北条高時の遺児。

幕府滅亡時に難を逃れ、以降、北条復興を目指す。


恵清えしょう(北条泰家やすいえ

北条氏の宗家出身。幕府が滅びる際、当主だった兄・高時の遺児である時行を逃がし、後醍醐天皇と戦い続けていた。


楠木くすのき正成まさしげ

河内の男。

後醍醐天皇に味方して鎌倉幕府と戦った稀代の戦略家。


●楠木正季まさすえ

河内の男。正成の弟。

兄と共に鎌倉幕府と戦い抜き、後醍醐天皇の新政を支える。


●楠木正行まさつら

楠木正成の嫡男。


●楠木正儀

未登場


新田にった義貞よしさだ

後醍醐天皇と鎌倉幕府の戦いの最中、幕府に対し決起し鎌倉を陥落させた名将。

その後、後醍醐の建武政権で引き立てられるが、それが原因で後醍醐と対立した足利から名目上の討伐対象として指名されることになってしまう。


脇屋わきや義助よしすけ

義貞の弟。元々副将として義貞を支えていたが、彼が病がちになると大将代行として新田氏を実質的に率いていくことになる。


●新田徳寿丸とくしゅまる(後の義興)

新田義貞の子。


●新田義宗

未登場


佐々木ささき道誉どうよ

近江を拠点とする源氏の一族・佐々木氏の支流の出身。

元々は北条氏に近侍していたが、北条氏滅亡後は巧妙に立ち回り徐々に存在感を強めていく。


●佐々木氏頼

佐々木源氏の嫡流。


土岐とき頼遠よりとお

美濃を拠点とする源氏の一族・土岐氏の出身。

普段は真面目な性格だが……?


●土岐頼康

土岐源氏の一人。頼遠の甥。


●武田信武

未登場


宇都宮うつのみや公綱きんつな

下野国を代表する大勢力・宇都宮氏の当主。


●宇都宮加賀寿丸かがじゅまる(後の氏綱)

宇都宮公綱の子。


芳賀はが禅可ぜんか

宇都宮氏が率いる紀清両党を指揮する有力武士。


曽我そが師助もろすけ

足利氏が後醍醐天皇から離反した際、付き従った相模国の武士。


薬師寺やくしじ公義きんよし

摂津国の拠点を置く薬師寺氏の一人。


河越かわごえ高重たかしげ

武蔵国の武士。坂東平氏の一角・秩父氏の流れを汲む。


●河越直重ただしげ

高重の子。派手好みなばさら武者。


高坂たかさか氏重うじしげ

河越氏同様坂東平氏の流れを汲む武士。

武芸を好む坂東武者の中にあって、珍しく文にも通じている。


山内やまのうち経之つねゆき

武蔵国の武士。北条氏滅亡後、同氏の影響下にあった領地に入部した新参領主。

勇猛果敢な武人だが、馴染みのない領地の経営に難渋する。


行珍ぎょうちん二階堂にかいどう行朝ゆきとも

官僚一族の一角・二階堂氏出身の武士。

人当たりの良い好々爺で、武士・公家問わず幅広い人脈を持つ。


太田おおた時連ときつら(信濃入道)

かつて鎌倉幕府創建に尽力した三善みよしの康信やすのぶの子孫。

仕事に厳しい鬼のような老人だが、その仕事振りは筋の通ったものであるため、周囲からの信頼は厚い。


長井ながい挙冬たかふゆ

かつて鎌倉幕府創建に尽力した大江おおえの広元ひろもとの子孫。

行珍・時連らと共に働く若手官僚武士。


伊勢いせ盛継もりつぐ

高一族同様、足利氏に仕える家人の一族の老人。


●伊勢貞継

盛継の子。湯屋マニアで自邸に湯屋を設けるのが夢。


●伊勢経久

未登場


赤松あかまつ円心えんしん

播磨の武士。悪党・赤松円心入道として知られる。

後醍醐天皇と鎌倉幕府の戦いでは、後醍醐皇子・大塔宮おおとうのみやに従い、楠木正成らと連携しつつ六波羅探題を追い詰める活躍をした。


●赤松光範

未登場


●赤松則祐そくゆう

赤松円心の子息。

戦乱の中で足利直義に殺害された大塔宮と親しかったため、一族が足利氏に従うことに複雑な思いを抱く。


島津しまづ貞久さだひさ

南九州の雄・島津氏の惣領。上総入道。

七十前後の身で参陣する古強者。足利氏こそ次代を担うと判断し、彼らに協力を約束する。


●島津師久もろひさ生駒丸いこままる

貞久の子。戦で功名を立て続ける高師久に憧れを抱く。


大友おおとも氏泰うじやす千代松丸ちよまつまる

北九州の雄・大友氏の若き惣領。

父や兄を失い分裂の危機に陥った一族をまとめるため、足利尊氏の猶子となり、足利氏に味方することを決意する。


立花たちばな宗匡むねただ

千代松丸の兄。弟を支えながら一族の危機に臨む。


山名やまな時氏ときうじ

新田一族の山名氏出身。どこか愛嬌を感じさせる雰囲気の男。

足利氏に従って数々の武功を立て、次第に勢力を拡大させていく。


●山名兼義かねよし

時氏の弟。時氏の戦の才に全幅の信頼を寄せている。


●山名師義

未登場


道忠どうちゅう結城ゆうき宗広むねひろ

北畠顕家傘下の将。謀略にも長じた老将。


南部なんぶ師行もろゆき

北畠顕家傘下の将。軍勢の指揮に長じている。


伊達だて行朝ゆきとも

北畠顕家傘下の将。諜報活動を得意とする。


諏訪すわ円忠えんちゅう

信濃諏訪氏出身。北条時行に味方した諏訪一族と異なり、足利に仕える道を選ぶ。




【市井の人々】

赤坂あかさか成村しげむら

河内の鍛冶師。

楠木正成に目をかけられていた縁もあって湊川に参陣するが生き延びる。


越智おち遠子とおこ

大和猿楽結崎座の先代・山田太夫の娘。

婿入りした当代・山田太夫との間に三子を儲ける。


兼好けんこう法師

京の要人たちから歌人・雑用役として重宝されている男。


至境しきょう

博多商人。自前の船を持つ有力商人で、元との貿易も行ったことがある。


至本しほん

博多商人。至境の甥。

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